2022-01-01から1年間の記事一覧

信仰による虐待

厚生労働省から、宗教活動と子育てに関するガイドラインが出た。信仰を背景にした親から子どもへの虐待をどう考えたらいいのか。 地獄に落ちるなど脅かして宗教活動を強制したり、結婚や進学といった人生の選択を奪ったりすれば児童虐待にあたると明示した。…

「こども」の表記

「こども」の表記には子供、子ども、こどもと3つの表記方法がある。 来年度に設立される「こども家庭庁」は、官公庁にひらがなの「こども」を使うように依頼をしたという。最近成立した「こども基本法」でも、ひらがな表記が使われていて、基本法の理念を行…

沖縄の里親委託解除のその後

今年の2月に委託解除になった沖縄の里親。県青少年・子ども家庭課は12月16日の県議会文教厚生委員会で、対応の改善策として県内の里親を対象にアンケート調査を実施するとしている(琉球新報)。 児相のケースワーク不足で、実親と里親の間で対立関係が生じ…

大久保真紀さんの取材考記

今日(12月16日)の朝日新聞夕刊に「養育判断 里子の声聴いて」の記事が掲載されている。 ある里親が児相を相手に国家賠償請求訴訟を起こし、12月2日に行われた公判の意見陳述が紹介されている。「私たちは『里親委託解除』の用紙1枚で、『ハイ、そうですか…

母ではなくて、親になる

『母ではなくて、親になる』は山崎ナオコーラさんのエッセイ集。と言いながら読んではいない。タイトルがうまいと思うのだ。タイトルがうまいといえば、井上光晴の詩集『胸の小槌にしたがえ』もいいと思っている。こちらも読んではいない。ただ、言い得て妙…

児童相談所、児童福祉司1000人増

厚生労働省の自民党厚労部会は2024年度末までに児童福祉司を1000人増加するとの案を取りまとめたという。 虐待件数の増加などで児童相談所の職員は増員の必要があるだろう。しかし増員すればいいというものではないと思う。児相を訪問すると、大学卒業後の若…

子どもの福祉と民主化

子どもへの虐待を疑って、果ては里親の認定取り消しまでしてしまう。先日書いたように、行政不服審査会が申し立てたところで、この姿勢はなおらない。どうして里親の意見を聴かずに、里親の認定取り消しまでするのだろう。 考えの行き着いた先は、子どもの福…

県の行政不服審査会「里親登録抹消は違法」 読売新聞

11月27日(日)の読売新聞が、三重県の里親が虐待を疑われて里親登録が抹消された件について、県の行政不服審査会の結果を伝えている。審査会の報告では、登録抹消をした里親(男性)に十分な弁明の機会を与えていなかったとして、登録抹消の取消しを県に答…

里親委託ガイドラインに里親ヒアリングの明示を

読売と朝日が取り上げたことで、里親の突然の委託解除が話題になっている。最近は委託解除だけでなく、里親認定の資格まで取り消すことが多くなった。以前はよほどのことがない限り認定の取消しまではなかったように思う。 平成20年代の最初の頃、里親委託ガ…

元統一教会の養子縁組問題

元統一教会の養子縁組が745人にのぼるという。厚生労働省と都は養子縁組について質問をするというが、回答するかどうか強制力はないとのこと。養子縁組あっせん事業法では事前に届出をして許可制としていたはず。違反すると罪に問われた。ところが、元統一教…

天理教里親と児童相談所

天理教里親のうち、専門里親が受託している子どもは、全国の専門里親の養育している子どもの6割以上を占めることについて、天理教の里親は養育の難しい子どもを養育していて、それは宗教里親のせいだろう、と書いた。 しかし、委託するのは児童相談所で、里…

沖縄の措置解除の件

里親から突然委託解除をして、案件によっては里親登録を取り消す動きが各地に広がっている。このブログでも、そうした話題の動向を追いかけることが多くなった。 琉球新聞の11月8日の報道。沖縄の里親の突然の措置解除について今年6月に県は外部有識者による…

天理教の専門里親 全国の受託数の64.7%を占める

里親をやっている人なら誰でも知っていることだろうが、天理教信者の方々が多い。乳児院や児童養護施設は施設的な養護、そして里親は家庭的な養育。では天理教の人たちの養育は何と呼べばいいんだろう。基本的には家庭的な養育だろうが、視点を変えれば宗教…

里親の委託解除、朝日新聞

ここにも書いたが、10月29日の読売新聞に「里親家庭、突然の委託解除」の記事が。そして11月7日(昨日)朝日新聞に同様の記事が載った。社会面で、扱いはけっこう大きい。児相は安全を考慮したとのことだが、突然の解除で、里親側には虐待をした意識もない。…

里親のリテンション

人事の用語でリテンションという言葉がある。人を辞めさせず長く働いてもらうためのさまざまな施策のことである。 ところで、里親のリテンション問題は話題にもならない。里親を開拓しても辞めさせない方策は講じられていない。むしろ、研修を受けて苦労して…

こども表記

こども表記については、「子供」「子ども」「こども」と複数の表記があるが、来春設立が予定されているこども家庭庁の準備室は、他の省庁に依頼文を出したという。依頼文では、こども基本法の理念を浸透させるため行政文書は「こども」を用いるよう呼びかけ…

『悦楽の園』(木地雅映子)を読む

若干知恵遅れとも思われる少年が女性に質問する。「オレ、ずーっと、いるから、うまれてくると、思って⋯ちゃんと、おとうさんとおかあさんとで、ほ、ほしいって思っ…て、なんか、くださいっておいのりとかして、つくって⋯だからイノチが、はいるんだ、と、お…

里親家庭の委託解除について

読売新聞10月29日号に、かなりスペースを割いて「里親家庭の委託解除」について記事があった。 里親家庭に措置された子どもの委託解除、なかには里親登録の抹消まで含む処分についての記事。紹介されている事例では、里子同士で口論になって里父がとめた。そ…

最後のニュース を聞く

昭和の歌というテレビ番組で、井上陽水の「最後のニュース」という歌を聴く。最後のニュースといえば、世界の終わりに流れるニュースなのだろうか。ネットでいきさつを読むと、当時、筑紫哲也のニュース番組「NEWS23」のエンディングテーマとして流されたと…

入所施設の障害者の地域移行が進まないという

入所施設の障害者、自宅やグループホームへ移ったのはこの4年間で4.9%だという。政策目標は9%だった。 平成28年の児童福祉法の改正でも、児童養護施設や乳児院で暮らす子どもたちは家庭で暮らす(里親やファミリーホーム)ことが原則となったはずである。…

地元の話題

新聞を読んでいると、子どもに関する話題などは、県内版のようなところの扱いで、今回も我がエリアの児相のことが話題になっていた。 先にも紹介したが、市川市の児相で働いていた人が、過重な労働でうつになり退職。県に1200万円の損害賠償と未払い賃金の支…

ドキュメンテーション、という手法

保育所が撮っていた園児の写真が個人情報にあたると言うことでオープンにできなくなった、という。写真を撮らなくなった保育所が増えているが、保護者にしてみたら、子どもの写真を見てみたい。そこで、ある地域の保育所では子どもたちの活動や写真を、ドキ…

専門里親が増えない、とか

専門里親ができて20年になると新聞に出ていた。あれは平成14年のこと。私は千葉県の里親会長をやっていて、まず自分が体験してみたいと手を挙げた。スクーリングの授業料は県が払ってくれたが、テキスト代や交通費などは自前。 会場は東京で、遠方から来る人…

全国里親会を退会したい、という電話

他県の友人から電話があり、全国里親会を退会したいのだが、という相談を受けた。退会のメリットやデメリットを教えてくれと言う。それなら、退会した里親会に聞いてみたらいいでしょう、とそうした里親会を紹介した。 全国を名乗っている里親会が幾つもの地…

里親とはなにか、に読者からコメントが寄せられた

このブログも時期によって思い入れの度合いが違う。最近はかなり手を抜いている。以前に書いたブログに読者のコメントが寄せられた。再度アップしておきたい。 里親とは何か(里親保障について書いてきたことのまとめ) - 里親支援ブログ 木ノ内博道 (hatena…

内密出産にガイドライン

内密出産を推奨するものではないが、さまざまの事情で匿名出産を望む女性がいることを踏まえて、として、厚生労働省と法務省が共同で初のガイドラインを公表した。医療機関に対して、出産した母親の身元情報を長期間保存することを求めるといった内容になっ…

二卵性双子が30年で倍に

二卵性双子が30年間でほぼ倍になったとか。世界的な傾向という。原因は不妊治療の結果だという。 子どもが欲しい人にとって、二倍嬉しいものなんだろうか。それとも養育で苦労しているんだろうか。 不妊治療がまだ完成された治療法ではないともいえるのでは…

産後パパ育休と里親

この10月から産後パパ育休がスタートする。正式名称は出生時育児休業。子どもの生後8週間以内が対象となり最長4週間、2回まで分割が可能。1歳までなら通常の育休との併用ができる。 ところで、赤ちゃん養子縁組のテスト期間中(まだ養子縁組が成立していない…

宗教虐待について

親が子に信仰を強制するのは宗教虐待にあたると法規制を求める声が上がっている。旧統一教会の宗教2世の人たちだ。 旧統一教会ではないが、社会的養護の関係でも宗教関係者は多い。児童養護施設や乳児院など、宗教者が始めたところが多い。 里親はどうだろう…

子ども家庭庁の財源

最近、子ども家庭庁の財源をどうするかという議論が盛り上がっている。 ところで、私の勘違いだったのだろうか、と思うことがある。消費税を7%にあげた時に、将来的には10%にする、そしてその財源は子どもたちのために使う、というものだった。 この話、実…