2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

虐待経験と肥満リスク

虐待を受けたことで、さまざまな影響が長期にわたってあるのというのは感じていたが、不思議な研究が発表された。 虐待を受けた女性は受けていない女性に比べて約1.6倍の肥満リスクがあるという。肥満の人にヘンな誤解を与えてしまうのでないかと感じてしま…

里親をやって嬉しかったこと

ある人から、学生に里親のことを話すのだが、里親をやっていて嬉しかったことは何ですか、との質問があった。養育の苦労はしたが嬉しかったことが思い浮かばない。強いていえば、その苦労を乗り越えられたことが嬉しかったことかもしれない。 いずれにしろ、…

時宜を得た論文

「社会的養護の自治体間格差の実態と要因に関する調査報告書」を読んだ。自治体の推進計画は国の示した目標から大きく下回っている。その分析である。自治体を大きく4つの類型に分けて、要保護児童率が高いか低いか、もうひとつは里親委託率が高いか低いか、…

ジャスピカンで発表

日本虐待防止学会(ジャスピカン)が開催されている。今日、そのなかの日本財団スポンサードセッションで話をした。全体としてのテーマは「子ども基本法の制定を目指して」。私は「国連子どもの権利委員会からの勧告と社会的養護下の子どもの権利」について…

未委託里親に里親手当を

里親手当の性格が育児の労働対価ではなく研修などの研鑽に充てられる雑所得だと前に書いた。そうであるならば、里親として認定された段階から支払ってもいいのではないか。というより、認定直後の方が勉強する必要があると言えるだろう。 里親として認定を受…

新型アレルギー

新型というとまたコロナの話か、とうんざりするが、こちらは赤ちゃんのアレルギーの話。消化管型のアレルギー。従来は抗体によるものだが、こちらは抗体には関係がない。 友人の里親のところで一時保護で預かった赤ちゃんが卵アレルギーで、顔が倍くらいの大…

Wリボン

警察経由で児相にもたらされる面前DVが話題になっているが、DVと虐待は表裏一体。そこで、女性への暴力根絶のシンボルであるパープルリボンと児童虐待防止のオレンジリボンを組み合わせたWリボンが話題になっている。

児相と学校

虐待の対応が19万件と発表になった。このなかで、学校からの相談、通報が昨年より3割増加したとある。 近年、児相と警察は連携がとれるようになってきて、面前DV(夫婦のDVを見ること)などが虐待の一つとして問題化されるようになってきた。 学校と児相の連…

児童養護施設立て替え、クラウドファンディングで1億円

老朽化した児童養護施設を立て替えるために、クラウドファンディングを使って不足額1億円を募っているところがある。 どうしたら代替家庭養育を増やせるか国を挙げて取り組んでいるときに、なんともピンボケなニュースを見た。 児童福祉法改正以後の児童養護…

スポーツ格差

朝日新聞が、収入が少ない家庭の子どもほど体力がないことが実証研究で分かったと報じている。さまざまな子どもの格差の問題が話題になるが、基礎的な体力が生まれた家によって違ってくるようなことのない社会にしたいものだ。

里親の人生のテーマ

鷲田清一の「折々のことば」で「人の人生には、それぞれのテーマがあるのではないか」という言葉を紹介している。小説家の中村文則の言葉である。 里親という人生の選択には、テーマらしきものがあるように感じている。もちろん施設の職員にもあるのだろうが…

生殖補助医療法案と子どもの権利

生殖補助医療に関する法案が今国会で検討されている。そこでは、卵子を提供してもらった場合だれが母なのかで、出産した女性を母にする。また夫以外の男性の精子を提供してもらった場合、精子提供に同意した夫を父親にする、など概要が固まりつつある。 が、…

厚労省は養子縁組希望里親の調査を行う

昨日の毎日新聞に下記のような記事。 厚生労働省は、不妊治療を受けても成功せず、里親・特別養子縁組によって子どもを迎え入れる家庭への支援制度を検討するため、当事者の意識調査を実施する。不妊治療の助成制度は来春にも拡充される見通しで、同省は調査…

面会権、ゼロ日児

新聞に載った新しい言葉を拾うのを趣味にしている。 今日は、面会権とゼロ日児という言葉に出会った。 面会権というのは、離婚などで別居した親子の面会交流について法の不備で不自由を強いられたと子どもたちが提訴したもの。 ゼロ日児は生まれて24時間たた…

極私的、当事者性

当事者性というのは極私的なものである、なんて誰に言われなくても知っていることだが、なんと、尿道管結石でうなっている。痛い。我慢の範囲を超えている。で、医者に行ったのだが、CTなど調べが終わるまでは治療はしない。 痛さのせいで吐き気に襲われる。…

一時保護所、親と毎日面会できるように

兵庫県明石市の児童相談所では、子どもが望むならば親と毎日でも面会可能なようにする、と今日の朝日新聞。 背景には、乳児が虐待を疑われて1年半も保護されていたが、裁判所から「虐待と認めるに足らない」という判断がでたことだろう。 明石市の児童相談所…

社会的養護当事者の活動

ある大会の計画で、社会的養護の当事者(ユース)に分科会に登壇してもらおうと打ち合わせをしていて思いついたこと。 第一段階は、昔、10年くらい前は、ユースに里親会の会合などに来てもらい話を聞いた。養育している里親なども聴衆としていたから、里親を…

児相にAI導入して虐待防止

児相と言えばもっともローテクな現場。そこにAIを導入しようという話が持ち上がっている。子どもの年齢や怪我、服装の様子、通学の状況などをAIに学習させようというもの。 未然に防ぐことができるのなら考えられる限りの手を打ってほしい。が、どんな効果が…

パートナー制度が各地で広がっている

性的マイノリティの人たちが夫婦のように同居することを認める制度がここにきて各地に広がりをみせている。 我田引水の私としては、里親という名称も「子どもとパートナー」という制度にしたらどうだろうと思ってしまう。どこの国でも里親を表す言葉には多少…

1年半ぶりにデイキャンプ

毎年5月にやっている里親家庭と東洋大学の森田明美先生のゼミ学生、ボランティア学生のデイキャンプがコロナの影響で開けなかった。 それが今日、遅れに遅れて開催することができた。 反対の声も多かったが、押し切っての開催である。 集まったのは学生たち…

『「真に」子どもにやさしい国をめざして』を読む

先の厚生労働大臣の塩崎恭久氏が本を出版した。サブタイトルに「児童福祉法等改正をめぐる実記」とあるように、おもに児童福祉法改正の動きをまとめたもの。 私は平成27年の9月、子ども家庭福祉専門部会のメンバーで、塩崎大臣の第一声を聞いている。「理念…