2020-01-01から1年間の記事一覧

里親の醍醐味

里親になりたいのだが、という、ありがたい人に会った。児相に電話をしたら、忙しいから相談などには応じられない、と冷たい返事だったという。相談にのるところからフォローしないと里親は増えないだろうにと思った。 そういう意味では、里親に増えてもらう…

引っ越しのルール作り

施設が県外に引っ越すことはほとんどないが、里親の引っ越しは多い。 その場合のルールは県によってバラバラ。なんとか一つのルールにならないものか、と思う。 引っ越した場合、登録のための研修を一からやらないとダメという都道府県もある。いや、こちら…

予算の執行

里親手当が二人目も一人目と同じになるなど、今年度から措置費が代わるが、なんといまだに項目別の金額がいくらになるか、厚生労働省から通知が出ていないようだ。 コロナによる通知の遅れ以外に、地域の予算が計上されていないので国の予算が使えないでいる…

サンタはいるの?

去年だったか、NHKラジオ放送第一のトーク番組でタレントが「サンタなんかいない」と言った後で放送がぷつりと切れた。その後、ご迷惑をおかけしました、というコメントが流れた。 いるとかいないとか、ではなく「見た人はいないがそれが証明にはならない」…

はしながおじさん

足長おじさんならぬ「はしながおじさん」。児童養護施設で暮らす子どもに天然漆塗りの箸を贈るプロジェクトがあり、すでに1万膳が配られたという。 今日の朝日新聞夕刊に大きな記事になっているが、里親家庭の子どものことについては触れられていない。よい…

AI婚活に20億円

政府は、少子化対策としてAI婚活に20億円の予算を計上しているという。 結婚にどれだけAIが役に立つのか、ということもあるが、家族問題に対する国の政策は底が浅い。思慮深くない。リアリティがない。婚活に手を出すのは余計なお世話という感じだ。その割…

『里親だより』126号

私が編集に関わっている『里親だより』がアップされたので。 dayori126.pdf (zensato.or.jp)

話題の本『子どもを守る言葉「同意」って何? YES、NOは自分が決める!』

レイチェル・ブライアン著、集英社 まだ読んでいないが話題の本なので紹介する。案内にこうある。 <生きるための基本「同意」を、子どもに授けたい!子どもと学びたい!世界的に注目を集める絵本『子どもを守る言葉「同意」って何? YES、NOは自分が決める…

明石市がパートナーシップ・ファミリーシップ制度を導入する

性的マイノリティ―の人たちが安心して暮らせる街づくりを目指して、明石市はパートナーシップ・ファミリーシップ制度を新年より導入するという。従来のパートナー制度にとどまらず、子どもの養育も視野に入れているのが特徴的だ。 あまりに画期的すぎて、制…

突然の委託解除に悩む里親

東京新聞が、「6年間養育してきた娘を児相に委託解除されて東京都を追訴した」という記事を書いている。社会面に大きく。さもあらん、と私は頷く。 里親に説明もなく、養育していた子どもを引き上げることはよくある。こんなことが里親希望者に知れたら、里…

児相職員の遅刻

子どもの入園であったり学校の打ち合わせであったり、医療機関など、里親はさまざまなことで児相以外の場所で児相職員と待ち合わせをする。往々にして、児相職員は遅刻をする。 里親との打ち合わせだから遅刻をしてもいいと思っているのだろうか、あるいはさ…

「入所」「入居」考

里親家庭は「養護」か「養育」か先に書いたが、性分として言葉にこだわるようにできているらしい。 里親に子どもが委託される、という言葉も、里親だったら受託ではないの、と主張したが、行政用語に受託はない、委託される、と受け身の表現になるのだ、と先…

里親家庭の子が援助交際

昨年2月、国連子どもの権利委員会から日本政府に幾つかの勧告がなされたうち、里親家庭の監視が含まれていて、そこまでの必要があるのか、このブログで話題になった。 さて今日の朝日新聞。このところ「子どもへの性暴力」がシリーズで企画されていて興味深…

虐待経験と肥満リスク

虐待を受けたことで、さまざまな影響が長期にわたってあるのというのは感じていたが、不思議な研究が発表された。 虐待を受けた女性は受けていない女性に比べて約1.6倍の肥満リスクがあるという。肥満の人にヘンな誤解を与えてしまうのでないかと感じてしま…

里親をやって嬉しかったこと

ある人から、学生に里親のことを話すのだが、里親をやっていて嬉しかったことは何ですか、との質問があった。養育の苦労はしたが嬉しかったことが思い浮かばない。強いていえば、その苦労を乗り越えられたことが嬉しかったことかもしれない。 いずれにしろ、…

時宜を得た論文

「社会的養護の自治体間格差の実態と要因に関する調査報告書」を読んだ。自治体の推進計画は国の示した目標から大きく下回っている。その分析である。自治体を大きく4つの類型に分けて、要保護児童率が高いか低いか、もうひとつは里親委託率が高いか低いか、…

ジャスピカンで発表

日本虐待防止学会(ジャスピカン)が開催されている。今日、そのなかの日本財団スポンサードセッションで話をした。全体としてのテーマは「子ども基本法の制定を目指して」。私は「国連子どもの権利委員会からの勧告と社会的養護下の子どもの権利」について…

未委託里親に里親手当を

里親手当の性格が育児の労働対価ではなく研修などの研鑽に充てられる雑所得だと前に書いた。そうであるならば、里親として認定された段階から支払ってもいいのではないか。というより、認定直後の方が勉強する必要があると言えるだろう。 里親として認定を受…

新型アレルギー

新型というとまたコロナの話か、とうんざりするが、こちらは赤ちゃんのアレルギーの話。消化管型のアレルギー。従来は抗体によるものだが、こちらは抗体には関係がない。 友人の里親のところで一時保護で預かった赤ちゃんが卵アレルギーで、顔が倍くらいの大…

Wリボン

警察経由で児相にもたらされる面前DVが話題になっているが、DVと虐待は表裏一体。そこで、女性への暴力根絶のシンボルであるパープルリボンと児童虐待防止のオレンジリボンを組み合わせたWリボンが話題になっている。

児相と学校

虐待の対応が19万件と発表になった。このなかで、学校からの相談、通報が昨年より3割増加したとある。 近年、児相と警察は連携がとれるようになってきて、面前DV(夫婦のDVを見ること)などが虐待の一つとして問題化されるようになってきた。 学校と児相の連…

児童養護施設立て替え、クラウドファンディングで1億円

老朽化した児童養護施設を立て替えるために、クラウドファンディングを使って不足額1億円を募っているところがある。 どうしたら代替家庭養育を増やせるか国を挙げて取り組んでいるときに、なんともピンボケなニュースを見た。 児童福祉法改正以後の児童養護…

スポーツ格差

朝日新聞が、収入が少ない家庭の子どもほど体力がないことが実証研究で分かったと報じている。さまざまな子どもの格差の問題が話題になるが、基礎的な体力が生まれた家によって違ってくるようなことのない社会にしたいものだ。

里親の人生のテーマ

鷲田清一の「折々のことば」で「人の人生には、それぞれのテーマがあるのではないか」という言葉を紹介している。小説家の中村文則の言葉である。 里親という人生の選択には、テーマらしきものがあるように感じている。もちろん施設の職員にもあるのだろうが…

生殖補助医療法案と子どもの権利

生殖補助医療に関する法案が今国会で検討されている。そこでは、卵子を提供してもらった場合だれが母なのかで、出産した女性を母にする。また夫以外の男性の精子を提供してもらった場合、精子提供に同意した夫を父親にする、など概要が固まりつつある。 が、…

厚労省は養子縁組希望里親の調査を行う

昨日の毎日新聞に下記のような記事。 厚生労働省は、不妊治療を受けても成功せず、里親・特別養子縁組によって子どもを迎え入れる家庭への支援制度を検討するため、当事者の意識調査を実施する。不妊治療の助成制度は来春にも拡充される見通しで、同省は調査…

面会権、ゼロ日児

新聞に載った新しい言葉を拾うのを趣味にしている。 今日は、面会権とゼロ日児という言葉に出会った。 面会権というのは、離婚などで別居した親子の面会交流について法の不備で不自由を強いられたと子どもたちが提訴したもの。 ゼロ日児は生まれて24時間たた…

極私的、当事者性

当事者性というのは極私的なものである、なんて誰に言われなくても知っていることだが、なんと、尿道管結石でうなっている。痛い。我慢の範囲を超えている。で、医者に行ったのだが、CTなど調べが終わるまでは治療はしない。 痛さのせいで吐き気に襲われる。…

一時保護所、親と毎日面会できるように

兵庫県明石市の児童相談所では、子どもが望むならば親と毎日でも面会可能なようにする、と今日の朝日新聞。 背景には、乳児が虐待を疑われて1年半も保護されていたが、裁判所から「虐待と認めるに足らない」という判断がでたことだろう。 明石市の児童相談所…

社会的養護当事者の活動

ある大会の計画で、社会的養護の当事者(ユース)に分科会に登壇してもらおうと打ち合わせをしていて思いついたこと。 第一段階は、昔、10年くらい前は、ユースに里親会の会合などに来てもらい話を聞いた。養育している里親なども聴衆としていたから、里親を…