2020-01-01から1年間の記事一覧

児相にAI導入して虐待防止

児相と言えばもっともローテクな現場。そこにAIを導入しようという話が持ち上がっている。子どもの年齢や怪我、服装の様子、通学の状況などをAIに学習させようというもの。 未然に防ぐことができるのなら考えられる限りの手を打ってほしい。が、どんな効果が…

パートナー制度が各地で広がっている

性的マイノリティの人たちが夫婦のように同居することを認める制度がここにきて各地に広がりをみせている。 我田引水の私としては、里親という名称も「子どもとパートナー」という制度にしたらどうだろうと思ってしまう。どこの国でも里親を表す言葉には多少…

1年半ぶりにデイキャンプ

毎年5月にやっている里親家庭と東洋大学の森田明美先生のゼミ学生、ボランティア学生のデイキャンプがコロナの影響で開けなかった。 それが今日、遅れに遅れて開催することができた。 反対の声も多かったが、押し切っての開催である。 集まったのは学生たち…

『「真に」子どもにやさしい国をめざして』を読む

先の厚生労働大臣の塩崎恭久氏が本を出版した。サブタイトルに「児童福祉法等改正をめぐる実記」とあるように、おもに児童福祉法改正の動きをまとめたもの。 私は平成27年の9月、子ども家庭福祉専門部会のメンバーで、塩崎大臣の第一声を聞いている。「理念…

里親と税理の学び

今日は全国里親会の会長会議、研修会があって、お手伝いで参加した。研修会では「里親と税理の学び」という研修があった。税理士による話で、大丈夫かなと思いながら聞いた。 案の定、里親手当は雑所得になるから、必要経費控除後の額は課税の対象になる。公…

里親支援ってなんだろう

里親支援、正確には里親家庭の支援だが、よく言われている里親支援ははたして里親支援だろうか、と思う。 たとえばこんな時だ。 里親に委託されていた子どもが、里親に無断で児童相談所が子どもを幼稚園などから引き上げてしまう。予想されるのは、不適切な…

親族里親

『里親だより』に原稿を書くのでデータを見ていたら、登録里親のうち親族里親はわずか5%で、思わず目を疑った。 親族里親ができた平成14年当時、子どもがすでに愛着をもつ祖父母や叔父叔母、きょうだいが養育することはよいことだとされ、親族里親が増えて…

親子の時間を奪ってしまった児相

このタイトルは私が書いたものではなくて、今日の読売新聞の記事のタイトル。普通の感性を持ち合わせているなら、えっと思うだろう。 虐待の有無をめぐって親と児相が対立。1年3カ月一時保護されていたが、虐待を否定する判決がでて、親元に戻ることになった…

放置子が話題になっている

こんな報道があった。 傍若無人に振舞う近所の子どもに悩まされている人たちがネット上で不満を綴っている。このような子どもたちはネット上で「放置子(ほうちご)」とよばれ、その対応に悩む声がしばしば上がる。 なかには、助けになりたい気持ちで手を差…

性的虐待の調査

厚生労働省が、児童相談所に通告があった心理的、身体的虐待などのうち、後に性的虐待も明らかになった事例の実態調査を始めた。性的虐待への児相の対応に焦点を絞った国の調査は初めて。子どもの性被害の中でも、特に潜在化しやすい家庭での被害を早期に把…

闘う社会的養護ジャーナリズムいでよ

子どもたちのために気長に待ってはいられない、という気持ちである。子どもたちのプライバシーを盾に、社会的養護周辺の子どもたちが犠牲になっている。里親家庭支援などと悠長なことは言っていられないという心境。

一時保護から措置の対象とならない子ども

一時保護から措置児童とならず家庭に戻るケースがあるのは承知しているが、家庭に戻らず、自立援助ホームで暮らす子どもたちが相当数いる、ということを知った。 日本は他の先進国に比べて措置児童の割合が低い。そのことについて決して悪いとは言えないが、…

里親も気をつけたい

今日の朝日夕刊一面に「子どもののどに食べ物が」という記事があった。子どもの事故、とりわけ食べ物に気を付けたい。凍ったブドウ、プチトマト。4歳までは4つに切り分けて、とNPOが呼びかけている。 もちろん、ナッツ、球形のチーズ、ウズラの卵、さくら…

里親も知っておきたい、付き添い犬

虐待や性被害を受けた子どもが司法関係者や医療従事者に被害を話すときに心理的負担を減らすために寄り添う犬。最近、地裁が初めて許可をした。

核のゴミ、子どもたちに聞いてみてほしいな

核のゴミの処分場が実現しそうな雲行きである。 意外なことだが、原発のゴミの処分、まだ世界に例がないのだそうである。 放射能が天然ウラン並みになるのは数万年から10万年。 恩恵を受けた世代の判断で決めていいものなんだろうか。 子どもに聞けばいいと…

里親を増やすには

今日は里親の日。各地でイベントなどが予定されている。前にも書いたが、記念日だけのイベントでいいのだろうか。 少なくとも、乳幼児の養育については急いで実現させる必要があるだろう。「どうしてそんなに急ぐ必要があるの」とある施設長の発言。 どっぷ…

子どもの虐待死亡事例調査

このほど厚生労働省の専門委員会が児童虐待による死亡事例の検証結果を発表した。2018年度に73人(前年度比8人増)が死亡していたことが分かった。心中を除くと54人(同2人増)で、このうち死因となる主な虐待の類型は、育児放棄(ネグレクト)が25人(同5人…

厚生労働省、来年度予算(概算要求)

厚生労働省(令和3年度)の予算概算要求が発表された。総予算額は約33兆円。私たちの分野である「子ども家庭局家庭福祉課・虐待防止対策推進室」の予算は1734億円。今年度が1731億円で、今年度並みといえる。 概要としては、<児童相談所や市区町村の子ども…

GOTO子ども

GOTOキャンパスという名称を初めて聞いた。学生のコロナ禍支援として国に学費の半額を負担してもらいたいと集会が開かれたという。大学生たちとのかかわりがあるが、大学が食品を学生に配ったり、学生も大変なようだ。 それで考えたのは「GOTO子ども…

性のスペクトラム

セクシャルマイノリティの皆さんとお会いする機会は多い。子どもを預かりたい、里親になりたいという方が多いからだ。 セクシャルマイノリティという考えが一般的だ。日本では約7%。ところがアメリカだと倍の14%くらい。性というのは男と女、そしてマイノ…

子ども基本法の提言

昨年から「子ども基本法」を作るよう政府に提言しようと研究会が立ち上がった。今年の3月で取りまとめる予定だったか、コロナの影響で研究会の開催も発表も大幅に遅れた。 国連の子どもの権利委員会から何度も勧告を受けているもっとも問題のところは、横断…

新聞をゆっくり読みながら里親を思う

のんびりと起きだして、今日の朝日新聞をゆっくりと読む。歌壇という欄がある。目についたのは「憶良おらば何と詠みけん宝なる子ら虐待に死にゆく今を」。以前、里親を対象に川柳を公募する企画があった。私は賛成できなかった。子育てを揶揄するような作品…

『ナゲキバト』を読む

ブックオフの200円均一の棚が好きだ。価値のない、読んで思わず破いてしまいたくなる本。そういう本の間に、光り輝く本がある。素晴らしい本だから多くの人が買いそして売って、この棚に集まる、というわけだ。 昨日買った『ナゲキバト』(ラリー・バークダ…

当事者学

当事者が大事にされていない分野は人権侵害のおそれがある。そんなことを考えたのは昨日の朝日新聞夕刊だ。「現場へ!」が連載されているのだが見出しに「人はみな自らの人生を実験」とある。まあ実験としては平等、ということだろう。 目が見えず耳の聞こえ…

里親月間雑感

10月は里親月間、また4日は里親の日。各地で里親制度の説明会などが開かれる予定だが、気になるのは里親月間の行事でいいのだろうか、ということ。 自治体の計画からすれば、そんな悠長なことでは困る気がする。 年間を通じた里親開拓の計画を立てるべきだろ…

乳児の口に血、やはり代理ミュンヒハウゼン症候群だった

9月9日のこのブログで、乳児に血液を飲ませて嘔吐させた事件は代理ミュンヒハウゼン症候群ではないかと書いたが、やはりそうだったようだ。養育に関わる倒錯した精神疾患、里親にも無関係とは言えない。相談を受けていて、里親の熱心な養育の背景にこの病理…

千葉県知事をめぐる動き

千葉県のことで恐縮だが、来年4月で任期が終了する千葉県知事をめぐってさまざまな動きがある。まず現・森田知事が次の選挙にも出るのかどうか、いまのところ明らかにしていない。しかし現知事では難しいとする自民党県連は、スポーツ庁長官の任期を終えるソ…

ゲームチャットと里親・口座チェックも

オンラインゲームでの子ども誘拐が相次いでいる。チャット機能で、気楽に友達だと思って話している人が、実は犯罪をたくらむ人だったら。すべて悪人だと思う必要はないが、用心をする必要はある。しかし子どもに善悪の判断をさせるのは難しい。 保護者が対策…

社会的養護・考

まず「養護」は明治期の翻訳語として日本語に定着した。が、戦後の使われ方はその意味内容が違ってきた。 戦後は、養育保護を「養護」というようになった。 昭和40年代初頭、「社会的養護」が『教育原理』で使われるようになる。 その後、社会的養護は広義…

子どもとコロナ、総括

西日本新聞(9月10日)で、子どもNPOセンター福岡代表理事の重永侑紀さんが子どもとコロナについて総括的なことを言っている。 一斉休校は、科学的根拠に乏しい政治的判断だったとの見方も強い。「子どものためと言いながら、肝心の子どもの声は聞かな…