里親を増やすには

今日は里親の日。各地でイベントなどが予定されている。前にも書いたが、記念日だけのイベントでいいのだろうか。

少なくとも、乳幼児の養育については急いで実現させる必要があるだろう。「どうしてそんなに急ぐ必要があるの」とある施設長の発言。

どっぷりと今の仕組みに漬かって、子どもの問題を考えてみない人には、国の進めている目標などに違和感を感じるのだろう。

しかし諸外国、国連の子どもの権利委員会などは、代替養育のノーマライゼーションを強力に進めている。その辺の臨場感を感じない関係者がいるのは困ったもの。

どこの国でも、何もしないで里親が増えているわけではない。あの手この手で増やしている。以前、シアトルの空港で時間調整をしていて、電飾看板を見ていたら、里親募集のものが多かった。

また、工夫と言えば、養育里親に頼るだけでは限界がある。どこの国でも親族里親を活用している。また、その子どもにとっての、限定した里親。ベルギー、フランス、イタリアの合作映画『少年と自転車』を観た人も多いと思うが、施設に保護されている子どもが美容師の女性に「僕の里親になってよ」という。日本でこの映画を見ても意味が分からないだろう。野球のクラブに入っている少年が、コーチに里親をお願いするケースもある。子どもが信頼している大人に、里親をお願いするわけだ。

日本にはこうした発想がない。養育里親だけを増やそうとしている日本の取り組みでは、別の論理が用意されていると言える。「里親になる人が少ないから、乳児院児童養護施設は必要だ」というような。

日本の里親制度への理解もこの程度だ、という感じがする。何が何でも子どものノーマライゼーションを実現するというような気構えがなさすぎる。