Q-09 専門里親とはどのような里親ですか?

『Q&A里親養育を知るための基礎知識』の9問目は、専門里親について。相澤仁さんが答えている。

これまでにも書いてきたように、専門里親は平成14年に相澤さんがつくったもの。本人が回答していると言える。

つくった目的を2つ挙げている。一つは家庭での親密な援助関係を必要とする被虐待児に対して、施設では提供できない家庭的な援助をすること。2つ目はそのことによって家庭復帰を前提として問題性の改善や治療を図り自立を支援すること。

被虐待児を対象につくられたが、その後、非行傾向の子ども、障害のある子どもも対象となった。

つくられた当時は委託児童は2人までだったが、専門里親として2人までで、養育里親としてほかに2人まで委託が可能で、最大4人まで養育が可能となった。

委託期間も最大2年以内として始まったが、現在は2年を超えての養育も可能となった。

専門里親になるためには養育里親として3年以上の養育経験のあること、もしくは知事が適当と認めた者とする。

対象児童のために研修内容がふさわしいかどうか、意見の分かれるところだが、里親は子どもを委託されてみないと必要な知識などは分からないものである。

運用レベルの話になるが、専門里親への委託がきちんとなされているかどうかといえば、なかなか難しいところだ。専門里親が近くにいない、あるいは里親手当が高いために、通常の養育里親への委託を進めている都道府県(市)も多い。

つくられて期間もたっているので、見直す必要があると思う。たとえば職業里親とかに。

家庭復帰に里親も関係機関とともに関わるように、とつくられた当時から定められている。今日では通常里親も家庭復帰に協力するように児童福祉法に書かれている。

私も平成14年、制度が作られた当時、研修を受けた。指定された本を読んでレポートを書くことになっていて、「里親としてのノーマライゼーションについて書け」「里親としてのインフォームドコンセントについて書け」というようなテーマがあった。指定された本にはなく、悩んだのを記憶している。