里親不調が増えているとか

前にも書いたが、里親不調という言葉はあっても施設不調という言葉はない。かなり前になるが、ある児童相談所長と話していた時、施設職員は専門家だから「不調」とは言わない。子どもの施設への「不適応」ということになるね、と。

ところで、被虐待児が増えてくると、里親家庭にも不適応児が多いのではないだろうか。読売新聞に、「里親家庭になじめない子どもが増えている」という見出しがあった。文章中には里親不調という言い方も出てくるが、見出しとして言うのは問題、という配慮があったのではないか。

また、最近、虐待死事件の報道が多すぎないかと書いた。裾野として、当然虐待案件が増えていると考えられる。里親家庭にも虐待された子どもたちがやってきていることだろう。

小学一年の子どもが我が家にやってきた。アイスクリームを買ってくれというので、どうしようかな、と迷っていたら、跳びついてきて、私の胸ぐらをつかもうとする。幸い背丈の違いもあって掴むことはできなかったのだが。

その時、もう一人女の子を預かっていて、その子が帰ってきてから、この子おじさんの胸ぐらをつかもうとしていたんだよ、と家内に話していた。家内が「ウチはそんなことはしないんだよ」と男の子に話していた。

その子の夢はお父さんのようにヤクザになることだと折に触れて話す。どのように話したらその夢を変えることができるか、とうとううまくは言えなかった。

新聞によると、里親不調は委託した子どもの18%で起きているという。「子どもの問題行動」「里親の養育困難」が多い。この2つはそれぞれ30%を占めるという。ダブっているのではないかと思うが。