2019-01-01から1年間の記事一覧
フォスタリング機関については今年度から国の予算がついてすでに始まっているが、自治体予算を考えると今年から稼働しているところはわずか。来年度から取り組むところが多い。 さて、フォスタリング機関についてどんな問題があるのか整理してみよう。最も基…
里親をやっていて、せがまれて犬や猫を飼う里親家庭は多いだろう。里親になる前から飼っていて、「子どもを委託するのでペットを処分してください」を児相職員に言われる人も多いだろう。 里親登録するまではそんなこと考えてもいなかった、という里親もいる…
福祉はまず実践があって制度が後から整う。先に紹介した本で貴田さんも言っていた。 ではさて、里親の実践知ってなんだろう。この分野はどうやらまず制度が作られる。専門里親や親族里親。もっときちんと機能すべきだと思うのだが、運用面でうまくいっていな…
社会的養護の関係者と会議をするときがある。そういうとき、里親以外は交通費の清算もできるし、時給か月給か分からないが、賃金も発生している。孤独と言うには大げさなのかも知れないが、里親はまったく異質。里親だけがボランティアとして参加している。 …
ソーシャルペタゴジーとは「社会における子育て」などと訳され、子ども福祉の重要な概念と言えそう。 保育ひとつとってみても、就学準備型保育と生活基盤型保育(ソーシャルペタゴジー)」の2種類があるという。 ソーシャルペタゴジー、聞きなれない言葉だ…
特別なニーズをもった子どもでなければ、里親には専門的な知識や能力はいらないといっていいだろう。むしろ日常という日々の暮らしをしっかり営むことが重要だ。 でも、この里親はなにかおかしい、と感じることがある。最近、養育者としての里親の子ども時代…
国連子どもの権利委員会への第2回報告のとき、日本は、里親支援は施設にやらせます、と書いていた。近年、そういうことにはなっていくわけだが、コストの低い家庭養育が支援の名目でどんどん高くなっていく。 里親支援専門相談員を配置することで一施設に年…
来年2月に開催されるFLECフォーラムの分科会で「家庭養護における親子関係再構築支援のあり方」をテーマにします。このテーマに即した里親の体験を集めています。参考になりそうな事例をお持ちの方、ご協力いただけると幸いです。 fosterfamily926@gmail.com
地域の、課題をもつ子どもを預かるショートスティ里親の動きが活発になっている。里親と言えば保護された子どもを措置という形で児相から預かることを言うが、ショートスティ里親は市町村から、保護児童ではない段階で預かる。似たような仕組みでファミリー…
奥山さんのスピーチを聞いた。多くの統計資料から、今の子どもたちの現実を知らせてくれる。社会的養護の世界でああでもないこうでもないとやっているとき、もっと確かな視点を教えてくれる。それは、ひと言でいえば、子どもの養育に社会全体が関わる必要が…
里親というのはいったい何なのか、そういうことをつい考えてしまう。里親はボランティアである。それでよいのかもしれない。里親のあり方を明確にすることによって窮屈な制度になって、誰もやりたがらないことになってしまうのでは残念だ。 里親には親権の一…
著者の貴田さんは、「里親はボランティアである」という厚生労働省の担当者の言葉を紹介している。里親手当と言いながらこれは労働の対価ではないという通知を出しているし、子どもに事故があった場合の責任にしても施設職員とは違って里親の責任。 発達障害…
2003年の「里親制度の拡充・整備に関する研究会報告書」では里親を社会福祉事業とすることが盛り込まれていた。しかし、本来のボランティア的な里親については、そのボランティア的な意義を重んじるべきである、としている。たぶん専門里親について言及した…
>委託直後の2か月間は2週に1回程度、委託の2年後までは毎月ないし2か月に 1回程度、その後は概ね年2回程度訪問する。そのほか、里親による養育が不安定 になった場合などには、これに加えて必要に応じて訪問する。 これは「里親委託ガイドライン」か…
私が里親登録をしたのは平成4年ごろ。前に書いたかもしれないが、里親会の会合に行くと会社の会長だという人がお年玉だといって1000円札を子どもたちに配っていた。その人が支部長だった。里親というと篤志家がなるもので、こういうことをするものなのかと面…
里親が増えないのは日本特有の血統主義があるからだといった、証明もできない研究が長いこと研究者の間でなされてきた。 ところで著者貴田さんは、民俗学者の柳田國男の言葉を引用する。「日本人の如く、人をやたらにオヤとする慣習を持って居た民族も稀であ…
『里親制度の史的展開と課題――社会的養護における位置づけと養育実態』(貴田美鈴著・勁草書房)を読む。本体価格6500円で一般里親が読むには手に取りにくい本といえる。まだ読み始めたばかりで、読みながら読後感を書いていきたい。序章で、社会福祉の成立…
最近のSNSトラブルと里親にとっての守秘義務は少し違うのではないかと考える。 フェースブックなどSNSと個人情報の問題は里親だけの問題ではない。だれでもが権利を侵害する可能性のあるツールなので、どんな人でもどんな場合でも注意しなければいけない。 S…
福祉職というのはともすると大きく制限をかけてしまう。それは相手のためでなく、福祉職員自身の身を守るサービスになってしまう。 そんなことを考えたのは、児童相談所職員の里親への説明や情報提供についてだ。里親は守秘義務を負っている、だから守るよう…
アニメ映画と言えば宮崎駿。ジブリ。宮崎駿が子どもの頃、母が入院したという。母の長期の不在は宮崎駿に何をもたらしたのだろう。 宮崎駿のアニメ映画がいくつも浮かんでくる。まず、やはり「となりのトトロ」だろう。「風の谷のナウシカ」も思いだす。ナウ…
海外では人気だった液体ミルクが、日本ではなかなか許可されなかった。自然災害に対する意識の高まりなどで解禁になったが、売りだしてみると日本ならではのアイデアが商品化されている。紙パックや缶入りの液体ミルクに乳首をつけてすぐ飲めるようにした製…
痛ましい虐待のニュースが後を絶たない。厚生労働省は体罰によらない子育てに関するガイドラインをまとめつつある。まもなく公表されるだろう。暴言や無視も虐待に含むとしている。こうした動きについて里親もしっかり関心を持っていきたいもの。むしろガイ…
仙台開催の予定だった里親全国大会は台風で中止になった。会場で発表しようとしたものに、里親から公募した川柳があった。参加者に楽しんでもらうためのアイデアだったのだろう。 そのことに反対するものではないが、川柳を作ろうとすると、子どもの行動を揶…
カナダの非営利団体の里親募集のポスターが話題になっている。犬や猫、うさぎと遊ぶ子どもがポスターに写っている。保護された動物の里親探しのようなポスター。問い合わせると、電話から「ペットのことだと思っていたならごめんなさい」と流れる。ペットの…
医学が発達するとなにが起こるか分からない。大阪家裁が「嫡出推定が及ぶ」と判断したのは、凍結受精卵をつれあいに無断で使用して出産したケース。別居中の元妻が行ったもの。子どもとつれあいの男との親子関係について家裁は「嫡出推定」の判断をした。
社会的養護の子どもたちに七五三のお祝い助成をしてくれる企業がある。嵐のレコードなどを扱っている企業だ。12月27日が締切り。また、ランドセルメーカーのセイバンは里親家庭の子どもたちにランドセルを提供してくれている。今年は184人に。もう締め切って…
これも次回の里親関係の読書会の「課題図書」。イランから観光ビザで入国し、超過滞在のまま育った女の子が、いろいろなことに困りながらも大学を卒業し結婚し子どもも生まれる。在留特別許可を得て、一時イランに帰るが、そこは夢にまで見た祖国ではなかっ…
フォスタリング機関に関する動きがなかなか見えてこない。そういうなか、11月23日に「子どもの家庭養育推進官民協議会」の研修会で「これからの社会的養育を考えるシンポジウム」が日本財団で開催された。フォスタリング機関の発表として明石市、高知県、宮…
メールでコンタクトし、小6の女の子を誘拐した事件。なんともすっきりしない事件だ。このことによって、子どもへの親の監視は一層強まるものと思われる。ほんらい、親の監視から逃れたところで子どもはしっかり成長すると思うのだが。 それから、里親にとっ…
毎日新聞の調査で、児童福祉士の精神疾患による休職率は教員の4倍だという。2018年度で(全国)、職員の2.2%、57人が休職中。 やはり親子分離が負担になっているようだ。国は職員を増やすことしか考えていないが、もう抜本的に見直す時期にきているように思…