今日11月20日は「世界こどもの日」である。国連で子どもの権利条約が採択された日。それを記念して、子どもの権利条約を批准した国では、11月20日を「こどもの日」としている国が多い。国連は、子どもの権利条約を批准した国に、こどもの日を作るように定めている。必ずしも11月20日である必要はない。そこで日本政府は5月5日がこどもの日だから、その日でよいだろうと、安易に定めたきらいがある。
日本の子どもの日は、子どもの幸せと母親への感謝の日。日本の(もともとは中国の)伝統的な日で祝日にもなっている。しかし、子どもの権利条約にうたわれているような「子ども主体」の権利に根差した日としての認識は薄いと言っていいだろう。ほかに女の子のための3月3日の節句もあって、5月5日は男子の祝いの日としての認識も強い。象徴としての兜がお祝いの象徴でもある。強い男子、戦場で活躍する人間になってもらいたという願いが込められているようだ。
伝統に裏打ちされた祝日を否定するものではないが、その日に、子どもの権利を認識しようというのは無理がある。その結果、批准して30年にもなるのに、子ども主体の価値観を導入する意識は薄いままだ。
子どもの権利意識の強い人たちで、11月20日を「子どもの権利の日」としていくことができないだろうか。こども家庭庁ができ、こども基本法もできた。今が、「子どもの権利の日」をつくるいいタイミングだと思うが。