「こども」の表記

「こども」の表記には子供、子ども、こどもと3つの表記方法がある。

来年度に設立される「こども家庭庁」は、官公庁にひらがなの「こども」を使うように依頼をしたという。最近成立した「こども基本法」でも、ひらがな表記が使われていて、基本法の理念を行政文書にも浸透させたい、との考えがあるようだ。

漢字を習っていない子どもでも分かるようにとのことだろうが、ひらがな文のなかで、ひらがなのこどもは読みにくい。

私は「子ども」表記を使っているが、子どもの権利条約が批准されたころ、厚生労働省が、これからは「子ども」を使ってもいいという通知を出したことで、子供以外に子どもを使うようになった。子どもの権利に配慮をする人たちは「子ども」表記を使うようになったと思っている。

去年だったか今年だったか、東京都議会で、ある都議から「わざわざ供という漢字を習っているのになぜ使わないのか」という質問があって、東京都は「子供」を使うようにした、と聞いたことがある。

子どもと児童、も使い分けの難しい時がある。児童虐待問題に詳しい西澤哲さんがある委員会で、子どもに統一して児童は使わないようにしようと発言したことがあって、思いだすことがある。児童は行政用語として報告書などに使われる。社会的養護の世界では18歳までの人に対して、児童を使う場合もある。

親が子どもという場合には、年齢に関係なく、子どもという言い方をする。

統一の難しい表記なのだろう。