2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

木ノ内博道の月刊里親大賞『おかあさんのたんじょう日』

毎月、里親関係の本で賞を設定しようと思いながら、今日はもう6月も末。今月の大賞は『おかあさんのたんじょう日』にしようと思う。 『おかあさんだいすき』というなかの一篇。必ずしも里親関連ではないが、里親にもいいんじゃないか。 今日はお母さんの誕生…

虐待同調

千葉・野田市の虐待死の障害ほう助罪に問われた母親に判決が出た。検察側の主張で「虐待同調」という耳慣れない言葉が使われた。DVの被害者が子どもの虐待に加担すること。前にも書いたが、DVと虐待は別というのでなく、DV対策をすることが虐待防止にもなる…

『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』を読む

先日、里親関係の読書会で上記のような本をテキストにした。虐待を受けた人から親への手紙100通。虐待を受けたばかりという人は少なく、40代や50代の人もいる。読み通すのがしんどい本だった。虐待の体験はこんなにも後々まで残るものかと思った。長…

家族の民主化が遅れている理由

昨日も書いたが、家族に関する問題が山積している。国にこの辺の問題を解決する気があるのだろうか、と疑いたくなる。 そこで憲法あたりから考えてみることにする。憲法9条と憲法1条については話題になることが多い。天皇を象徴とする第1条と戦争を放棄する…

教育虐待と里親

中学進学について親が躍起になっているニュースを見た。教育虐待と言うらしい。 それで思い出すのが、里親家庭の教育虐待?だ。多くの子どもたちは逆境体験のなかで勉強する環境になかった。そういうこともあって、勉強のできない子どもたちが多い。里親は塾…

家族のルールが時代遅れになっている!

子どもの権利条約が今一つ身近に感じられない。その理由の一つは、縦割り行政のせいではないか。国連子どもの権利委員会は1回目の総括所見から今回まで、日本に対して子ども基本法など子どもに関する一本化した法律を作るように勧告している。日本は馬耳東風…

無国籍児童の問題解決になるか

6月20日、法相は懲戒権の見直しについて法制審議会に諮問した。これは、先の改正児童福祉法などの成立によるもの。親などによる体罰は禁止したものの、懲戒権の在り方については結論がでていないため。ところで、あわせて嫡出推定の見直しも諮問した。これは…

体罰禁止、里親も

6月19日、しつけと称した体罰を禁止する改正児童福祉法などが成立した。これは里親家庭も同じ。セイブ・ザ・チルドレンの調査によると日本の一般家庭の6割もが体罰を行っているという。里親家庭も一般家庭だから、体罰が広く行われていると考えてもいい。里…

里親家庭の給付型奨学金

国の給付型奨学金の申し込みが6月下旬から始まる。来年4月入学予定の高校3年生が対象だが、昨年3月以降に卒業した受験生も利用できる。里親家庭の子どもなどでは親の年収ではなく受験生本人の年収が考慮される。まだ受験するかどうか悩んでいる人も申込んで…

ユースボイスのブログがあったらいい

改正児童福祉法の第2条には子どもの意見表明が書かれている。それを担保するためには聴かれる権利が機能していないといけない。子どもの声を支援するアドボカシー。 都道府県への計画策定についても、トップに近いところにアドボカシーのことが書かれている。…

続き・外国人の赤ちゃんの国籍取得

国籍には出生地主義と血統主義がある。生まれたところが国籍の地となるのが出生地主義。アメリカやカナダなど。それに比べて、日本など多くの国々は血統主義だ。 そこまでは分かるが、血統主義だとしても、お母さんの方かお父さんの方か。日本で外国人同士が…

外国人女性の出産

具体的な話は避けるが、どうやら日本滞在の外国人女性が妊娠出産した場合、出生証明の手続きはするが国籍取得の申請をしない場合が多いように思う。不法滞在の場合はやましい気持ちもあるだろう。しかし、出生証明の申請だけすればいいと思っている人も相当…

応援ミーティング

千葉県の応援ミーティングについて他県の人に話したらしきりに感心していたので、ここに書いておきたい。 千葉県では、里親に子どもを新規委託する際、市町村の子育て支援課の職員や保健師などに里親を紹介するミーティングを開催する。もちろん児相職員も立…

消費税引き上げと里親家庭

10月から消費税が10%に引き上げられる。低所得者や子育て世代への影響を最小限にするため、国はプレミアム付商品券発行事業を行うとしている。総額予算は1723億円。これには里親家庭も対象になる。プレミアム商品券のイメージは、2万円で2万5千円分の商品券…

国の給付型奨学金

来年度に高校から上級校へ進学を計画している里親家庭も多いと思う。頭が痛いのは学費などをどう捻出するか。進学に当たって20歳までの措置延長があるので、まずそれを児相に確認する。地方自治体で運用が異なるので注意が必要だ。たとえば里親家庭に居住す…

特別養子縁組の年齢延長の意味

民法の改正によって特別養子縁組をする子どもの年齢が6歳から15歳未満にまで引き上げることになった。養子縁組をよく知らない人から、それにどんな意味があるの?と質問があった。 現在、特別養子縁組というと、多くは新生児の縁組。はたして15歳と拡大した…

『隠居すごろく』を読む

西條奈加の『隠居すごろく』を読む。時代小説。巣鴨で6代続く糸問屋、還暦を機に隠居する。静かで自由な隠居生活を送ることができるだろうと楽しみにしているが、孫の隠居家訪問によって意外なてんてこまいに。 すごろくは上がりだろうと思っていたら第二の…

暴力とは

平和学のガルトゥングによると、暴力には3つの形態があるという。直接的な暴力以外に暴力を制度化する構造的暴力、そして宗教など文化的暴力。 直接的な暴力が否定されていても、制度や文化として残らないようにしたいものだ。たとえば学校の制服、あるいは…

特別養子縁組の課題

今回の国連子どもの権利委員会の総括所見には代替養育についてはずいぶんと書き込んでくれたが、養子縁組についてはまったく問題がないかのような書きっぷりだ。前回と同じくハーグ条約くらいしか触れていない。実はNGOレポートできちんと指摘する人や団体が…

アメコミスーパーヒーロー里親映画『シャザム!』

考えてみれば日本の昔話「桃太郎」も「竹取物語」も里親物語。人類の始まりとともに里親物語はあるのだろう。そういうわけで、いまアメコミスーパーヒーロー里親映画『シャザム!』が上映されていて人気らしい。 もともと1940年代のコミックの系譜。アメコミ…