家族のルールが時代遅れになっている!

子どもの権利条約が今一つ身近に感じられない。その理由の一つは、縦割り行政のせいではないか。国連子どもの権利委員会は1回目の総括所見から今回まで、日本に対して子ども基本法など子どもに関する一本化した法律を作るように勧告している。日本は馬耳東風。
そうこうしている間に、日本の制度がどんどん時代遅れになってきている。子どもの問題だけではない。家族制度のあり方にこそ顕著だ。法制審議会は親権の一部である懲戒権について議論するという。あわせて、嫡出推定についても。離婚後に生まれた子どもを離婚前の夫の子どもとするかどうか。昔のままだから、無戸籍の子どもが増えている。離婚した後の子どもの養育について、共同親権を認めるかどうかも議論されるという。もう欧米では当たり前のことなのに。
非婚シングルマザーへの風当たりも強い。日本では婚外子はさまざまな差別を受ける。国の制度上でも不利に扱われる。子どもの権利の観点からもどうなのだろう。
一昨日、読書会をやって、『2分の1成人式』を取り上げた。標準家族を前提にした生い立ちの振り返りは里親家庭の子どもたちにはストレスになる。
気が付いてみたら、最近の報道で多いのは“家族のルール”に関すること。それだけ時代に的確に対応できていないということだろう。
書きながら思ったのは、夫婦別姓などもそうだ。国は旧来の標準家族以外を認めたくないようだ。戦前のように、家族は国の単位みたいな考え方があるせいだろう。