特別養子縁組の課題

今回の国連子どもの権利委員会の総括所見には代替養育についてはずいぶんと書き込んでくれたが、養子縁組についてはまったく問題がないかのような書きっぷりだ。前回と同じくハーグ条約くらいしか触れていない。実はNGOレポートできちんと指摘する人や団体がなかったことがその理由だと思っている。
先にも書いたが特別養子縁組の養親の条件は夫婦であることとなっている。本当に夫婦でなければならないのだろうか。
最近気が付いたことだが、特別養子縁組は生みの親との関係を切ることが特徴になっている。すると、生みの親の情報は児童相談所としては養親に伝えられる情報ではなくなってしまう。児相に十分な情報がありながら、それを開示することができない。
養親でなく子どもにとってはどうだろうか。出自を知る権利はあるはずだが、開示されなければそれがあるのかどうかすら分からない。
特別養子縁組の制度上、不備と言っていいと思う。