『隠居すごろく』を読む

西條奈加の『隠居すごろく』を読む。時代小説。巣鴨で6代続く糸問屋、還暦を機に隠居する。静かで自由な隠居生活を送ることができるだろうと楽しみにしているが、孫の隠居家訪問によって意外なてんてこまいに。

すごろくは上がりだろうと思っていたら第二のすごろくがあった、という感じ。

現役時代は極力情を排除してきた。ところが情が絡むと意外な人生が開ける。今でいう子ども福祉に関わっていくと母親たちの人生にも関わっていかざるを得ない。

里親文学、といっていいのではないかと思う。人生とはこんなに面白い。