本 『里親制度の史的展開と課題』を読む⑤

著者の貴田さんは、「里親はボランティアである」という厚生労働省の担当者の言葉を紹介している。里親手当と言いながらこれは労働の対価ではないという通知を出しているし、子どもに事故があった場合の責任にしても施設職員とは違って里親の責任。

発達障害の子どもを受託している里親は、たびたび児童相談所に呼び出されて、「私はボランティアでやっているような気がしない」と話していた。仕事としてやっている児童相談所の職員が忙しいからといって里親を呼び出す。これは今やどこでも見られる光景だが、ボランティアの里親にどんどん負荷がかかっていく。

里親は何者なのか、これから里親を増やしていこうとしているときに、これではお粗末だ。