まず「養護」は明治期の翻訳語として日本語に定着した。が、戦後の使われ方はその意味内容が違ってきた。
戦後は、養育保護を「養護」というようになった。
昭和40年代初頭、「社会的養護」が『教育原理』で使われるようになる。
その後、社会的養護は広義の意味で多様に使われるようになる。家庭への支援、自立支援なども含める。
ところで、こうしたこともいえよう。
――「養護」から「施設」的要素を除去し、 地域社会へと結びつけるために「社会的」 という語を冠したのではないかという一つの推測が成り立つのであ る。そしてそれは、「養護」という語が、閉鎖的で前近代的な、 すなわち「社会化」 されていない施設のイメージを含むものとして理解されていたこと の表れであると考えられるのである。(「養護」という語の歴史的な展開――児童福祉分野における「養護」 吉田幸恵 96P)