当事者学

当事者が大事にされていない分野は人権侵害のおそれがある。そんなことを考えたのは昨日の朝日新聞夕刊だ。「現場へ!」が連載されているのだが見出しに「人はみな自らの人生を実験」とある。まあ実験としては平等、ということだろう。

目が見えず耳の聞こえない研究者にインタビューしている。テーマは能力主義的な発想を批判する研究。「能力の差を存在の価値に連動させてしまう、人間の存在の内面にくみこむ差別的なもの、価値の序列的体系。それを障害を通して考察し、批判的に研究していきたい」と。

そして「人はみな、一生かけた『人生実験』をしているようなもの」という。当事者学とは、目線の問題ともいえよう。「気の毒だから配慮する」ではない。だれもが平等に実験の場にいる、そういう認識が必要だ。

里親家庭にいる子どもたちについても言えることだ。