『「真に」子どもにやさしい国をめざして』を読む

先の厚生労働大臣塩崎恭久氏が本を出版した。サブタイトルに「児童福祉法等改正をめぐる実記」とあるように、おもに児童福祉法改正の動きをまとめたもの。

私は平成27年の9月、子ども家庭福祉専門部会のメンバーで、塩崎大臣の第一声を聞いている。「理念の部分から見直したいのでお願いしたい」と。それも12月までに報告書をまとめて、1月の通常国会に出したいという。

12月に報告書は完成したのに、フィニッシュの会議が開かれない。もつれにもつれて、結局国会終了間際に5月27日に国会を通過した。その前日、国会で参考人として説明願いたいといわれて、生まれて初めて国会で説明、質問に答えた。

思い出してみると、施設から来た子どもが里親家庭でこんな話をした、と言った、法律改正とはあまり縁のない話をした記憶がある。

子どもの権利条約児童福祉法に反映され、子どもの最善の利益や意見表明、そして社会的養護は家庭養育を原則とするなど、大幅な前進をした。

当時の、私ごときではうかがい知ることのなかった困難があったことがこの本でよく分かる。

当時、専門部会はメンバーも多く十分な発言ができなかったので、会議が終わった廊下で、奥山眞紀子先生や西沢哲先生が次はどんなことを話したいのか聞いた。ほぼ同様な問題意識だったので、メモにして資料とさせてもらった。

実は明日の夕方6時から塩崎元厚労大臣の講演会がオンラインであり、誰でも聞くことができる。あまりにせっぱつまった情報だが、もし聞きたい人がいればご案内できる。

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