懲戒権の削除

このほど、法制審議会は親が子を戒めることを認める民法の懲戒権の規定を削除し体罰の禁止を明示する規定を盛り込む方針を決めたとのことです。

懲戒権は親権の一部として定められている以外に学校教育法で「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる」として、学校の教師にも認められており、子どもを社会において有意な人間に育てていくために欠かすことができない規定です、となっていいます。

懲戒権がながく生き続けてきたのは、教育分野の主張が強いせいと言われています。

近年、家庭内において虐待が増加し、その説明として両親がこれは虐待ではなく懲戒の範囲だと言い逃れをするケースが増えています。

19年6月に児童福祉法が改正されましたが、その際、22年4月ごろをめどに懲戒権の廃止などを見直すこととされました。この法制委員会の考えが次の国会で検討されることと思います。

おさらいになりますが、親権には「監護・教育権」「居所指定券」「懲戒権」「職業許可権」「財産管理権」「代表権」などが定められていて、里親にはこのうち「監護権」「教育権」「懲戒権」が付与されています。

里親になるとき、懲戒権とは如何なるものか調べてみたことがあります。もちろん暴力をふるうことはだめですが、懲戒場を用意するとか、最終的によく分からないまま挫折してしまいました。30年近く前のことでしたが、児相職員は、多少の体罰はやむを得ないでしょうね、などとコメントしていました。

懲戒権の削除は里親家庭にとっても影響するものといえますね。日常的にはすでに使われない言葉でしょうが。