AI婚活に20億円

政府は、少子化対策としてAI婚活に20億円の予算を計上しているという。

結婚にどれだけAIが役に立つのか、ということもあるが、家族問題に対する国の政策は底が浅い。思慮深くない。リアリティがない。婚活に手を出すのは余計なお世話という感じだ。その割に夫婦別姓などなかなか進まない。

政府は学者や官僚、あるいは国民の声を聞こうとしているのだろうか。コロナで話題になったアベノマスクに通じるものがある。現象面に直接関わろうとする。

政府が官僚人事に関わりすぎるので、官僚が委縮しているともいわれる。

少し話題は違うが、先日、桐野夏生の『日没』を読んだ。で、こんな感想を書いた。

 

桐野夏生は一時期読みふけったことがあるが、久しぶりに読んだ。

戯画化された物語ではあるがこわいし、現実にないかと言えばこの日常にひたひたと押し寄せている感じもする。

安倍前首相のしらを切る発言だったり、用語の使い方だったりが、私たちをどこに連れて行くのか怖かった。トランプが大統領になるとそのトーンは何倍にもなる。誰もが知っている事実を平気でそんなの嘘だという。で、コロナになると、横文字だったり、和製英語だったり、これまでにない日本語が横行する。あきらかに現実を正しく伝えようという感じがなく、遠くの虚構の世界に連れて行くような危うさが蔓延していた。

『日没』はそういう危うさと危惧を体現している。