「育てる」なのか「育つ」なのか

子どもの権利条約的にみれば、子どもは育つなのだろうか、育てるなのだろうか。どうやら子どもは育つものであって、養育者は見守ることはできても育つことそのものは子どもの力によるものだ。 そんなことを考えたのは、今日の朝日新聞の鷲田清一の「折々のこ…

養護と養育の違いについて2

「養護」をパソコンで検索しているうち、養護を老人問題として書かれているものが多くあった。 前にも書いたが、ながく全国里親会の会長をしてきた渥美さんが、社会的養護という言い方は外国にはないのでなんて訳したらいいのかと思ってしまうよ、と言ってい…

養護と養育の違いについて

以前は里親養護と言ってきたが、最近は里親養育という。護ることだけに専念せず、子どもの伸びようとする姿勢も大切にしようというわけだ。子どもの権利条約にも、子どもが自ら伸びようとする力を大切にするよう書かれている。 養護と養育の違いについてAIに…

ニューロダイバーシティ

脳の多様性のこと。日本では「トガり人」とも言われている。発達障害などの人々がもつ高い集中力や知識を人工知能やサイバーセキュリティといったテック業務に生かす動き。 多くの偉人が実は発達障害があったと言われている。また、程度は極端でなくとも、何…

一時保護の里親活用を本気で考えよう

一時保護を見直す動きがある。保護と権利の両立が課題なんだという。少しずつ改善されてきているとは思うが、あまりにもゆっくりした動きだと思う。 戦後まもなくGHQからキャロルさんが日本に派遣されてきて児相を見て回った。児相に一時保護所を作るのは反…

災害、孤児と遺児 その他

昨日で、阪神大震災から29年。個人的には初めての乳児を預かって半年ほど。震災については会社について分かったが、考えてみればその子がこの時間によく泣いていた。子どもなりになにか感じることがあったのだろうか。 1月17日。阪神大震災以降はこの日に大…

こども家庭福祉の観点から

能登の地震で感じること。私は里親の経験からなので、里親家庭を中心に置きがちである。 しかし、大切なのは要保護児童への関心ではなく、生きづらさを感じている子どもたち全体への視点が必要なのだろう。衣食住の問題も大人ほどには声を上げにくい。虐待な…

被災地と里親

東日本大震災を思い出す。何人くらいの孤児が出るのかの予想もつかないなかで、全国の里親会に、何人くらい預かることが可能ですか、と質問した。時間はかかったが、出てきたのは3000人を超える人数。 しかし孤児の人数がいつになっても出てこない。児相に問…

被災地からのお問合せ

能登半島地震のことについて書いたら、被災された里親や支援したい人から問い合わせをいただいています。個人のことで、ブログには書きたくない、ということでしたので、私のメールアドレスをご案内しておきます。 fosterfamily926@gmail.com 木ノ内博道

未加入問題 続き

全国里親会としては、二つの会員制度を設けてはどうだろう。 最低限、地域の里親会が国に要望を伝え、また国の情報を地域の里親会に伝えるという、基本的な役割を担う部分。同時に、災害時の窓口として機能すること。 研修会などはまた別の会員制度とする。 …

全国里親会未加入問題

全国里親会に加入していない地域里親会はどれだけあるのだろうか。公表したくない気持ちもあるだろうしこちらもなかなか聞きにくい問題である。そういうことから、関心はあるのだが当事者団体から聞きにくい問題ではある。 どうしてこんなことが頭をよぎるの…

災害時のための家族会議の必要性

元旦からの能登の地震には驚いた。地震や津波が来てからでは間に合わない。専門家は、平時から、災害時のための家族会議を5分でもいいからやるべきという。 確かに、携帯が使えなくなったり、水や電気が使えなくなる影響は大きいと思う。とくに、日常困るこ…

水の飲めない子の増加

私自身がそうなので、あまり威張って言うことでもないが、コロナの影響もあってマイボトルをもったり味付き水になったりで、常温の、味のない水を飲めなくなったという。それが健康を害することになったりしないようにしたいものだ。

里親家庭のヤングケアラー

こども家庭庁がヤングケアラー支援の法制化を進めている。はじめてヤングケアラーが日本で話題になった時、里親家庭のヤングケアラーが話題になった。しかし、そういうこともあるねえ、みたいなことで話題は終焉を迎えた。 里親家庭の場合、実子が両親の犠牲…

全国里親会の会報『里親だより』

個人的には、高齢ということもあり、多くの里親活動や里親支援活動をやめている。ただ、自宅にいる活動として、全国里親会発行の『里親だより』の編集をお手伝いしている。最近発行した『里親だより』がアップされているので、ご紹介したい。 里親だより第13…

石川・輪島 能登半島地震、里親会の動き

1月1日に起こった石川・輪島能登半島地震、里親家庭はどうしているのだろうと心配になり石川県里親会に問い合わせたところ、石川県里親会のホームページで下記のような書き込みをしているとのこと。 能登半島地震・一夜明けて@石川県里親会 | 石川県里親会…

2023年の動き

2023年も残すところあと1日。子どもの福祉に関しては大きな動きがあったと言っていいだろう。3か月近くのブログの内容を消してしまったので、思い出しながら今年1年のことを書いておこう。 こども基本法が施行され、こども家庭庁も設置された。関心は子ども…

職員と補助者

12月26日にファミリーホーム職員がわいせつ行為という記事を紹介した。児童養護施設の小規模化、分園化はグループホームで、里親の拡大バージョンはファミリーホームと呼ぶ。養育できる子どもの人数はどちらも5人から6人。 グループホームの方は職員2名まで…

ファミリーホーム制度化の頃(思い出)

昨日書いたファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)がどう定義されるのかが気になっている。 ファミリーホームは里親の拡大バージョンで、児童養護施設の小規模化はグループホーム(小規模児童養護施設)と言われる。グループホームについては、児童養…

地方版 ファミリーホームの職員がわいせつ容疑

12月22日の読売の県内版である。 ファミリーホームの職員を監護者わいせつ容疑で逮捕した、とある。里子の少女にクリームのようなものを塗るなどのわいせつ行為をした。手のひらで直接触れて、全身に保湿クリームを塗った。複数回やったとしている。 まだ容…

こどもの声を聴く、とは

数年前に児童福祉法が改正されて、乳児院や児童養護施設から里親家庭に、と養護の原則が変わったが、具体的にアクションを起こす動きは見られないといっていいだろう。今でも施設維持のために予算を取り、子どもの委託がされている。 法律が変わろうと現状は…

デジタル母子手帳より紙の手帳を残してとの声

昔、里親から聞いた話。赤ちゃんから育ててきた女児が小学校に入って振り返りの授業を受けた。その頃から実母に関心が向いて、ぜひ会いたいという。ところが児相に聞いても記録が残っていない。で、委託された時にもらった用紙を思い出したという。本棚の上…

避妊、妊娠、出産の問題

間違って多くの書き込みを消してしまった。 その時々の思いを書いているので、再現することはできない。 思い出すのは、一番最近の書き込み。避妊、妊娠、堕胎、出産などのこと。多くは女性に関することだが、もちろん男性にも責任はあって、女性にだけ押し…

手違いで2か月分ほど、まとめて消してしまった。

Middle Ground Fallacy(両極論の中間地点が正しいわけではない)

内田舞氏の『ソーシャルジャスティス(小児精神科医、社会を診る)』を読んでいる。まだ読み始めたばかりだが、こんな言葉が出てきた。 彼女はアメリカで暮らしていて、小児精精神科医であり大学でも教えている。これまでのコロナのなかでのワクチンについて…

赤ちゃんポストは広域活動のはずだが

東京・墨田区で来年から活動を開始する赤ちゃんポストについて、小池都知事が、区とよく話し合って進めるようにと発言したとか。 熊本の赤ちゃんポストの院長が千葉県を訪ねて、苦言を呈したのはすでにここに書いた。熊本の赤ちゃんポストを訪ねて内密出産を…

新しい形の児童養護施設

我が地、千葉県で、新しい形の児童養護施設ができる、と話題になっている。子ども6人ずつのグループホームで、高齢者のグループホームと一緒に作られ、人と触れ合う開かれた場であるという。施設を巣立った人の里帰りのできる場も作るという。なにしろ、新し…

房総双葉学園のこと

千葉県里親会(以前は房総双葉会と言っていた)がつくることになった房総双葉学園のことが聞きたいという、以前房総双葉学園で働いていた人からの要望で、お会いし話をしてきた。 他の地域にも例がないと思うが、千葉県では里親会が子どもたちの自立支援のた…

児相のマッチング

昨日は私の姉がやっているシャインマスカットのブドウ狩りを、千葉県、茨城県の里親、ファミリーホームなどが集まって開催。大人20数名、子ども30名が集まってのワイワイガヤガヤ。ブドウ狩りのほか焼き栗などもやった。火の起こし方など、子どもたちがチャ…

児相の里親家庭への不当介入について

沖縄県里親会の役員構成が大きく変わったことなど、いくつか情報は入ってきているものの、問題の改善が進んだという情報は入ってきていない。国への要望などでも、国はニュートラルな立場を守りたい、というだけだ。 人権が侵害されていると思われるのに、ニ…