2023-01-01から1年間の記事一覧

里親支援機関の役割

里親が虐待を疑われたり、登録を取り消されたリ、各地で児相と里親がもめている。なかには裁判に持ち込んでいる事例もある。 里親を知らない人たちの間では、里親支援機関が介入して問題解決に動けばいいんじゃないの、と言われている。しかし、児相の下請け…

二つの里親会に入るなら

先日近くの自治体に転居した里親さんにお会いした。 子どもを連れての引っ越しで、前いた地域と新しい地域の二つの里親会に入っているという。確か全国里親会は里親の会費を5000円徴収していた。こういう場合は、どちらの里親会でもいいから、5000円引いてあ…

里親とフェミニズム2

里親とフェミニズムについて考えているところに、今日の朝日新聞が「ケア労働 報酬と評価を正当に」という記事があり、大きなヒントになった。 ケア労働は多くの場合女性が担ってきて、しかも低賃金。 また、里親手当は、巧妙にというべきか、労働の対価とい…

不覚な違算

フェミニズムに関心がある、なんて書くと笑われそうだが、子育ての考え方はジェンダー平等、ないしはフェミニズムからみてどうなのだろうと考える。私たちの時代は、育児は女性のやることとしてあまり関心を持たなかった。 一般的な子育てだけではなく、里親…

子ども憲章が人気

タイトルは「ちいさいわたしがほしいもの~子どもの育ちを支えるために~」。子どもの一人称の語り言葉で「わたしが安心できる環境でホッとできる時間を過ごせるようにしてください。そうなっていないときは助けてください」「夢中で好きなことをする時間や…

江戸時代の子育て、仮親

小泉吉永の『「江戸時代の子育て」読本』(小学館)を読んだ。 11代将軍徳川家斉は正室と側女50人との間に55人をもうけたが40歳まで生きたのは7人だったという。 それくらい養育は大変だったわけだ。 乳幼児の死亡率の異常な高さは、堕胎や間引き、捨子の影…

地域とつながる里親であるべき

先日、日本子ども虐待防止学会前理事長で小児精神科医の奥山眞紀子さんとZOOMで話した。平成28年の児童福祉法改正に関わることで。 奥山さんとして力を入れたかったのは、保護の必要になる子どもたちの問題で、もっと市町村と児相がつながるようにしたかった…

『52ヘルツのクジラたち』を読む

本屋大賞にもなった『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ著 中央公論新社)を読んだ。虐待を受けた当事者たちの物語だ。 欠点から言うと、当事者のような迫力はあまり感じられないかな。フィクションだから、それはやむを得ないと思う。しかしストーリーと…

子ども政策の行方と要保護児童対策

国レベルのことをブログに書いてもなにか世迷言のようにしかならないが、国はいま「こども未来戦略方針」で揺れている。少し前には、少子化対策を異次元レベルでなんとかする、とか言っていた。 その割に、財源のめどが立っていなくて、財源については先送り…

子どものことは考えられていない社会か

子や孫は可愛いものだが、社会の仕組み作りには生かされていないようだ。 国債は子や孫からの借用書 という川柳があったが、まあその通り。政治家は自分の任期期間中だけ無事に済めばいいのだろう。 マイナンバー問題が表面化している。マイナンバーと連携し…

子どもインフラ

7日の経済財政諮問会議で骨太方針が発表になった。”異次元の少子化対策”については内容が固まっていないと見送り。ただ、教員の処遇改善など教育分野の施策が多く盛り込まれたという。 異次元の少子化対策と言いながら、財源が決まらないでいる。子どもを支…

どうする、対面給食

コロナが5類に移行したことで、対面給食を戻す学校と戻さない学校に分かれているんだそうだ。専門家は、会話を楽しみながら食事をする方が子どもの社会性やコミュニケーション能力などの発達にとても重要だ、という。 一方、対面給食を続けている学校の校長…

里親家庭と不登校

要保護児童の不登校は里親家庭でも児童養護施設でも多い。親元を離れて、環境の変化が大きいからだと思う。 支援団体が不登校について調査した結果が公表されていた。 不登校の支援団体の調査によると、不登校の子どもをもつ親の約7割が「学校を休んで子ども…

話題の言葉(子どもの福祉周辺)

子どもの福祉周辺の話題の言葉を拾ってブログを作っているので、関心のある人はどうぞ。 話題の言葉 子どもの福祉周辺 (hatenadiary.com)

夫婦のうち一人が里親登録

久しぶりに近所の里親のおしゃべり会に参加した。驚いたことに、夫婦のうち一人だけが里親登録している人が複数いた。 研修がハードルになっているようだ。児相の家庭訪問があって、里親への意向を聞かれるが、とくに反対ではないが登録は辞退する、というこ…

沖縄の子ども生活福祉部長が謝罪

過日お知らせした、沖縄県の児童相談所の児童福祉司として勤務していた男が女児に強制わいせつ容疑で逮捕されたことについて、県の子ども生活福祉部長が謝罪したとの報道。 その前に玉城知事も沖縄テレビで謝罪と共に再発防止策を講じるとしている。里親の委…

赤ちゃんの頭のかたち

養育している子どもが発達障害なのではないか、と思う里親が多いように思う。発達障害に限らず、さまざまな点で過剰に考えてしまうのはやむを得ないことなのかも知れない。 現実に、通常の親でも、我が子が発達障害と思うケースが増えているようだ。白黒つく…

児相職員が強制わいせつ容疑

沖縄県の里親のことで何かと沖縄に注目していたところ、児相職員が小学校内で強制わいせつ容疑で逮捕されたと琉球新報が報じていた(9日)。男性職員32歳。スマホに、女児に面接中わいせつ行為に及ぶ動画が保存されていたという。県内の小学女児にわいせつ行…

里親と実親

沖縄の里親の委託解除で、調査委員会のメンバーの意見を読む機会があった。それで思ったことは、児相が里親と実親の間を裂いておいて都合のいいようにお互いに話していることの問題だ。 平成14年だったか、専門里親が制度化されるにあたって、里親も他の関係…

児相、第三者委員会の報告

沖縄の里親の一件以来、児相の対応に落ち度があったなどの声を聞くと、敏感にならざるを得ない。 今回のは、神奈川県の母親が起こしていたもので、事件内容は異なる。子どもを車内に放置して熱中症で死亡させた一件。第三者委員会は、報告書で、児相の対応に…

小児期逆境体験が注目されている

ながく里親をやっていると、子どもたちが大きくなって生きづらそうにしている現場に出会うことになる。だから、小児期逆境体験と言われなくとも心当たりはある。 それでも、こうしたことが注目されていると聞くとやっぱりと思わざるを得ない。Adverse Child …

沖縄の元里親、賠償求め提訴 児相の違法性を問う

児相は実親側に虚偽の説明をしたり、里親へのわるい感情を抱かせたり、そうしたことが委員会の最終報告で分かっても、未だに児相はだんまりを続けている。 そこで今回、この元里親側は県に対して300万円の損害賠償を求め地裁に提訴したという。 考えてみれば…

受験費用など20万円

里親や施設などで育つ若者たちに、受験費用(交通費なども)として日本学生支援機構から20万円が支給される。対象期間は5月8日から来年2月末日まで。 今月から説明会を開き、5月に募集通知、6月下旬から審査終了後に支援金を振り込む予定だとしている。 これ…

里親が書いた『怒鳴り親』が話題に

名物的な里親が各地にいるが、そうしたなかに土井高徳さんがいる。近年は里親というより土井ホームの土井さんといった方が分かりやすいだろう。 最近、小学館新書で『怒鳴り親――止まらない怒りの原因ととめ方』が発行されて話題になっている。 が、私はまだ…

 詩集『手から、手へ』を読む

池井昌樹さんの詩集「手から、手へ」を図書館から借りてきた。 昨日の朝日新聞、鷲田清一さんの「折々のことば」で紹介されていた文章がよかったからだ。 こんな感じだ。 「やさしい子らよ おぼえておおき やさしさは このちちよりも このははよりもとおくか…

読売新聞報道

琉球新報の内容が気になっていたが、他紙にも同様の記事をみると社会的に関心が高まっているな、と感じざるを得ない。 読売新聞の記事は4月2日、三重県の事例を話題にしている。子どもに「施設に帰れ」などと暴言を吐き、結果、子どもの委託解除、里親登録の…

里親支援機関や里親支援専門相談員の限界

琉球新報の報道をお知らせしてきたなかで、里親支援機関や里親支援専門相談員の活用をしてはどうかとの声が聞かれた。 養育に関する参考意見を聞いたりすることには役立つかもしれないが、児相との関係がうまくいかない場合の対応となるとそうした人たちはほ…

琉球新報の続報

沖縄の里親の突然の委託解除について、調査委員会がもたれ最終報告がなされた要約版は公表されたが、本文は公表されていなかった。琉球新報が情報公開請求を行って、そこで分かった内容を報道している。先にお知らせした(上)のほか(中)(下)が記事にな…

琉球新報の報道

琉球新報が「里親解除」を報道している。今回は調査委員会の報告書全文を取り寄せての報道だ。上下にわたって報道するようで、今回は上となっている。 児相が「実親・元里親に歪曲的伝達」、とある。どうやら、実親と元里親の事情を知りながら児相が都合のい…

自治体ガチャ

子育て支援が自治体によって異なっており、住んでいる地域によって対応がまちまち。それを称して「自治体ガチャ」というようだ。以前、親を選べない子どもの立場を「親ガチャ」だといって話題になっていた。 里親制度に関心をもっている者からすると、里親も…