2022-01-01から1年間の記事一覧

里親支援専門相談員について

ある里親さんから、ある施設で里親支援専門相談員が2人体制になっている。ほとんどお会いしたこともないのだが、と聞いた。 私も、一つの施設で2人体制というのは聞いたことがなかったが、なにかその地域の特殊事情でもあるのかも知れない。 昨年の里親大会…

援助照会の見直し

生活保護の申請を阻む最大の壁が家族に援助が可能かどうかを問い合わせる扶養照会。法律上、扶養は生活保護に優先するが、扶養を受けられるかどうかは保護の要否に影響しないものとされている。厚労省は援助が期待できないと判断する場合の具体例を整理して…

エフ休暇

今年度から不妊治療の保険適用が広がった。働きながら治療に向き合う人も増え、企業の対応が問われている。ある企業の取り組みで、こうした休暇について「エフ休暇」(femaleの略)と呼ぶ。社内のシステムで、申請する際に、不妊治療か通常の有休などどの休…

児童相談所業務についての第三者評価

児童相談所の業務が問題なく行われているか、第三者評価によって判断しようという試みが各地で始まっている。多くは虐待案件についてのものだが、里親家庭からの一方的な措置解除についても対象にできないものだろうか。 第三者評価は、2019年の児童福祉法の…

里親の映画の自主上映について

里親をテーマにした映画『育ててくれて、ありがとう。』の上映告知をしましたが、自主上映会開催方法をお知らせします。東京で劇場公開された映画『育ててくれて、ありがとう。』の自主上映会が開催できるようになりました。この映画は、『こども食堂にて』…

里親ガイドブックを作る動きはないのか

携帯用の里親登録証について国の動きがあった。 それで思い出すのだが、都道府県の里親制度の取り組みと届出用紙などを入れた里親ガイドブックを幾つかの都道府県が作っている。東京都や北海道のは充実しているが、もっと簡単なものを作っている都道府県もあ…

携帯用里親登録証の作成について

私の場合、子どもが警察沙汰になったときに、私が行っても「ああ里親ですか」みたいな対応で残念に思ったことがある。多くの場面で、里親であることを証明しなくてはならない。地域によっては、たとえば山梨県や埼玉県などではずいぶん前から、写真入りの携…

日本語不自由な子、58000人

文科省の調べで、外国籍や日本国籍でも海外の暮らしが長いなどの理由で十分日本語が使えず、特別な指導が必要な子どもが21年度で58000人いることが分かった。 先にも書いたが、十分な支援体制のない地域では特別支援学級に行っているという。 里親家庭にくる…

小6ヤングケアラー

厚労省の、小学生のヤングケアラーの調査結果が出た。 小6の6%がヤングケアラーだということである。「ほぼ毎日」が52.9%。 気になるのは「周囲に相談したことがない」76%、「誰かに相談するほどの悩みではない」72%、「相談しても状況は変わらない」13…

「出自を知る権利」を阻むもの

第三者の精子や卵子を使って不妊治療を受けたカップルから生まれた子どもが成長した後に自分の遺伝的なルーツを知ることのできる権利を「出自を知る権利」というが、日本ではドナーのプライバシーを守るため、伝えない決まりとなっているという(日本産科婦…

条例で児相の第三者評価

虐待案件などの対応で、児相の業務を第三者が評価する条例が福岡県で施行された。条例で義務付けられるのは全国初(第三者の評価の実施については全体の5%程度で行われているという)。 里親と児相のトラブルについてもこうした第三者評価が行われようにし…

里親になって気づくこと

先に、無国籍・無戸籍の子どものことを書いた。養育の経験があるとそうした記事に関心が寄せられる、と。 それで思うことだが、里親登録して、その時に事前勉強してみようと思っても、戸惑うばかりではないのだろうか。虐待を受けた子どもとか、多くの事例の…

無国籍・無戸籍の子ども

新聞などを読んでいて、無国籍・無戸籍の記事があるとつい読んでしまう。無国籍の子どもを養育した経験があるからだ。今日の朝日新聞にもそうした記事があって、すいぶん参考になった。 これまでの記事で、無戸籍の子どもは800人とか書かれていた。実感レベ…

男性の育休と里親

この4月から、男性も育休をとるようにという動きがある。まあ、それだけ取る人が少ないということでもあるのだろうが。 30年前のことだが、里親になって子どもの養育をしていると会社の人事部に話したら、扶養家族になった。 近年の男性の育休、里親の場合は…

保護ってなに?

3月31日の毎日新聞だったか、「保護ってなに」の記事があった。要保護児童とかいうけど、当事者である子どもたちにどれだけ理解されているのか、という記事だった。 虐待を受けていた子どもが、学校で児童相談所のことを知る。しかし保護されると唯一大事に…

『海を見た日』を読む

アメリカの里親家庭の主に子どもたちを描いた小説『海を見た日』(M・G・ヘネシー著、すずき出版)を読む。先に書いた児童文学者のお勧めの一冊。先の『わたしが鳥になる日』が今年3月発行で、この『海を見た日』が昨年5月の発行。 子どもの養育をしない里…

絵本『海のアトリエ』

先に、児童文学者に里親の出てくる本を教えて、と聞いた話を書いた。 その時、里親の出てこない絵本も紹介された。 それがこの『海のアトリエ』(堀川理万子 偕成社)。帯にドゥマゴ文学賞受賞とある。 女の子がおばあちゃんの家に1週間遊びに行くお話。そこ…

日本語が苦手な子どもの処遇

外国生まれなど日本語の不得意な小中学生のうち5.1%が特別支援学級にいるという。きちんと支援されず、目的の違う学級で学ばなくてはならないというのは、行政側の怠慢だろう。外国籍の子どものうち1万人が不就学の可能性があるとも報道されている。 以前こ…

映画『育ててくれて、ありがとう。』が上映される

里親家庭を描く映画『育ててくれて、ありがとう。』が近く上映される。 なぜか協力者として私の名前も出ている。 お知り合いにも勧めていただければ幸い。 里親会などでの上映も可能という。 ■公式ホームページ https://sodatetekurete-arigatou.jimdofree.c…

『わたしが鳥になる日』を読む

知人に児童文学者がいる。コロナ前まで、里親に関する読書会をやっていた。最近会うことがあって、里親に関する本を教えてもらった。 その1冊が『わたしが鳥になる日』(サンディ・スタークマギニス 小学館)。アメリカが舞台になっている。里親宅を転々とす…

未委託里親問題

あえて問題と未委託里親につけた。令和2年度の里親登録総数は14401世帯。委託されている里親は4759世帯。この中には養子縁組を希望する里親もいて、必然的に未委託里親が多くなるかもしれないが、それにしても半数以上、6割もが未委託状態。 児相に聞くと「…

アロマンティック、アセクシュアルなど

LGBTの人たちと活動をともにしてきた。もちろん、里親登録したいというようなLGBTの人たちもいた。 最近言われているのは、アロマンティックやアセクシャルという言葉。他者に恋愛感情を抱かないのがアロマンティック、他者に性的関心を抱かないのがアセクシ…

ジェンダー平等と里親制度

家事や子育て、もちろん仕事においても、男女のどちらかが役割として定まっているのはよくない。ジェンダー格差につながるから。その動きが急速に進んでいるように思う。 それにもかかわらず、里親制度においては、あまり取り組まれているとは言い難い。研修…

里親への一時保護

一時保護はまだ措置児童になっていないが、暮らす場所としては里親家庭がいいと思っている。でも、脱施設化のために一時保護は里親家庭で、という声は上がっていない。一時保護所が満杯だからなんとかお願いしたい、という感じだ。 乳児院や児童養護施設だと…

児童虐待自動判定システム

警察庁は子どもの虐待件数を発表した。10万8000人を超える。 以前は、警察からの虐待件数の発表はなくて、児相のみだった。時代は変わるものである。警察庁は、新しく、児童虐待判定システムを導入したという。端末にチェック項目を入力、判定に基づいて対応…

地域にはいろいろなルールがある

ある地域では、待っている里親が多いから委託する子どもは一人だけ、と児相職員から言われるという。未委託里親は6割。確かに多いが、そのために「一里親子ども1人」と決めているわけではないようだ。 なるほど、というような言葉で言われると、後になって引…

再措置はなぜダメか

里親が子どもを実親の元に帰して、やっぱり養育が困難という場合、再措置ならこれまでの里親が育てたいというのは一般的な思いだろう。しかし、児相職員は「それはだめ」という対応が多いのではないか。 児相職員が疑うのは、子どもと里親が共謀して、実親と…

児童福祉法改正、閣議決定

国会の議論の前に閣議で議論されるが、次の児童福祉法改正の件で、4日に閣議決定されたとの報道。 児童相談所の一時保護について裁判所が判断する司法審査が導入される。国連の子どもの権利委員会から、日本への指摘で繰り返し言われてきたことがやっと具体…

里親不調が増えているとか

前にも書いたが、里親不調という言葉はあっても施設不調という言葉はない。かなり前になるが、ある児童相談所長と話していた時、施設職員は専門家だから「不調」とは言わない。子どもの施設への「不適応」ということになるね、と。 ところで、被虐待児が増え…