前回の国連からの総括所見に「一時保護の慣行をやめるように」というのがあった。それを気にしてのことなのか、純粋に今のままではだめだと思うのか。
こども家庭庁は児童相談所の運営基準を示したという。一時保護所の人格尊重を明記したもの。そういえば、一時保護所から通学させている子どもは6%だという毎日新聞の調査結果がでた。
親との面会や私物の持ち込みの制限を改めるように、とのことだ。子どもたちから聞く話ではそれ以上の制限があるという。紙を必要とするときには申し出て数えて渡されるという。保護所の子どもたちで連絡しあうのを制限するためだという。男女が話をするのを禁ずる保護所もあるようだ。たしかに、保護所を抜け出す子どもたちもいて、締め付けは厳しくなるばかりだ。
定員を超えるような保護所の管理に手を焼いているのだろう。外から鍵をかける。保護所というより刑務所のようだったと話す子どももいる。
保護所の運営基準(人格尊重の)を交付しても、どれだけ守ることができるのだろうか。
アメリカの小説。家庭に問題があった子どもが一時保護される。そこは里親家庭。発達障害のような弟は施設に入れられる。そこから弟を助けようとする姉の動き。
児童福祉法が改正されて、代替養育は家庭で、となった。しかし、代替養育だけが里親家庭で、というわけではないと思う。一時保護段階から家庭を前提とした受け入れを考えるべきだ。
200か所以上ある一時保護所をなくしたら職員たちが困るだろう、というような考えがあるかも知れない。しかし、子どもたちの人格尊重というなら、今の一時保護所を前提としていては難しいはずなのだ。もちろん里親がいまのままでは足りないという問題も出るだろう。