学校に行く権利

義務教育という。学校に通うのは、子どもの義務ではなく養育者の義務である。

毎日新聞社の調査によると、2022年に児相で一時保護を行った子どもの6%しか通学していないことが分かったという。要保護児童については児相の管轄下におかれる。

前にも書いたが、ある里親が一時保護で預かった子どもを、学校が近いこともあって毎日送り迎えをしていた。ところが児相から連絡がありやめてくれと言われたという。他の一時保護の子どもたちが学校に行けていないのだから不公平になると言われた。そういう通知が管内に回されたという。

学校に行けるよう努力するならともかく、他の子どもたちが行けないのだからその子だけ行かせるわけにはいかない、というのはおかしな話だ。

しかし、一時保護の子を里親に預ける地域というのはいいと思う。一時保護段階の子どもはまだ措置には至っていない。だから、里親ではなく一般の家庭でも問題はない。そうした家庭を活用している地域もある。もちろん多くはないが。

国連から、日本への総括所見で、一時保護のあり方を変えるように、と言われている。外国の小説などを読むと、一時保護の子どもを里親が預かるシーンが描かれている。一時保護にも里親が活用されているらしいのだ。

通う学校の近くの里親宅なら無理なく通学ができることだろう。この調査で、学校に通わせることができない理由として、逃げ出す可能性があるから、というのがあった。逃げ出す必要を感じるような環境に置くことが問題なのではないか、と思ってしまう。

私たちの地域でも一時保護に里親を活用している。手当も出る。しかし県からではなく児相からで、しかも支払いは年度末の一括清算である。多くの子どもを一時保護で預かるファミリーホームなどではやりくりが大変である。