疲弊する児相職員

近くに住む里親から東京新聞(1月22日号)を見せられた。先に電話があって、東京新聞の「こちら特報部」に市川児相の職員のことが載っている。里親会として何かできないものだろうか、と話していた。

市川児相は千葉県里親会市川支部のエリアの児相である。地元の児相のことで気を揉むのはよく分かる。

だが、児相の一時保護所の職員が過労で健康を害し退職。訴訟を起こしていることに対して何ができるというのか。

記事では、職員不足で多忙を極め、子どもと向き合うようなきちんとした仕事もできず葛藤していたとある。精神疾患のある職員は県職員の平均の3倍、などとも書いてある。

職員不足のなかで虐待件数もうなぎのぼり。対応に追われる職員のことがイメージされる。数年前だったか、ある児相職員がヘンなことを言っていた(市川児相職員ではないが)。子どもを虐待の家庭から引き上げようとするとき、所長の許可よりも一時保護所の課長の許可が取れない。偉いのは所長ではなくて一時保護の課長だよ、と。

一時保護が機能していない(市川児相の一時保護の定員は20人だが保護されていた子どもは30~60人で、夜の業務では職員は廊下に布団を敷いて寝ることになっていた、とか)なかで児相業務が十分に行えるとも思えない。

児相業務がパンク状態にあるのは十分予想できる。これだけ虐待件数が増えるなか、もう職員数を増やすとかだけではなくて、ガラガラポンする必要があるだろう、と思っている。思えば、戦後間もなくの頃、児相に一時保護所を併設することに、GHQ職員が最後まで反対していたが、帰ったとたんに併設していった、ということだ。一時保護所はどうあるべきなのだろうか。里親家庭のような仕組みが必要なのではないだろうか。親子分離後も家庭中心の環境を提供すべきだろう。