『Q&A里親養育を知るための基礎知識』の26問目は、「 一時保護的な委託(緊急・短期を含む)について教えてください」というもの。社事大の宮島清先生が答えている。
児童虐待の通告や親の病状が急に悪化した、出産が早まって上の子どもをみてほしい、二人とも逮捕されてしまったなど、緊急性の対応の必要なとき、児童相談所には一時保護所が設置されているが、すべての児相に設置されているわけではないし、満杯であることも多い。そういうとき、里親にお願いすることがある。一時保護であっても、家庭環境を提供することは望ましいことで、次の点を踏まえての受け入れが重要だと宮島先生は言います。
①年齢に応じた子ども自身の納得、②実親の同意、③子どもの健康上の確認、④緊急連絡先、連絡方法を確認すること。
しかし大事なことが書かれていない。まず、一時保護は措置ではない、ということ。まだ子どもは要保護児童ではない。その辺の説明が里親にきちんとなされているか。
緊急性がある場合など健康面での確認やアレルギーのチェックがされていないことも多い。いつまで預かるのかというのもなかなかはっきりしない。その結果、食物アレルギーを起こしたり、深夜救急車を呼んだ、などのケースもある。2,3日といわれて預かったのに、2か月以上も何も言ってこない、など。
児相職員も、安心して預けられる里親を多く知っていない、ということもあるようで、同じ里親に一時保護のお願いがたびたびあるということもある。
里親に一時保護をお願いするというのは悪いことではない。しかしきちんとした説明がないと、里親の日常の暮らしに影響が出ることも予想できる。
措置費ではないが、一時保護にも委託費用が出る。その説明だってしておくべきだ。