Q-25 里親養育を終了した子どもはどうなるのですか

『Q&A里親養育を知るための基礎知識』の25問目は、「里親養育を終了した子どもはどうなるのですか」というもの。神奈川の児相職員だった佐藤和宏さんが答えている。

措置の解除ということで、大きく2つに分けられる。一つは、子どもが家庭に復帰するため。この場合は年齢もバラバラで、ケースによっても異なる。もう一つは満年齢を迎えての解除。18歳で、ということになるが、事情によっては20歳までの延長が可能。また18歳でも誕生日前日までが原則だが、高校卒業まで延長するのが一般的。

高校卒まで、と書いたが、中卒で就職する子どもが卒業とともに措置も解除された、という話があった。

家庭復帰については、里親養育を始めるときに計画を立てて、定期的に見直し、家庭に復帰していく。記述のなかで、措置の解除=実親家庭の問題の解決とならないことが多い、という。現在の児童福祉法では、里親も家庭支援に協力することとされている。

ふたつ目の自立については、本人の意思や能力を確認しつつ、児童相談所や関係機関と話し合って決めていく。最終的に、子どもが自立して、お盆や正月に自分の子どもを連れて帰ってくるようになればうまく自立したと言える、としている。

一方、満年齢に達しても戻る家がなく、里親宅に同居人として生活していくこともある。高卒後、引き続き上級校に通うこともある。本人、児相職員、先輩里親などと話し合って決めていく。進学に際しては、奨学金などについて調べることが必要だろう。近年、国の行う給付型の奨学金もある。里親家庭の子どもは基本的に奨学金の対象となるが、最近聞いた話で、高校が窓口となってくれるはずのところ、本校は扱っていないと「断られた」という。そんなはずはないのだが。