措置解除後も里親家庭で暮らす子ども

親しい知り合いに、知的障害をもった女の子を預かり、40年もがたった里親がいる。子どもはとっくに成人し、里親もいまは里親をやめて80歳を過ぎている。

もちろん措置解除にはなっているが、施設に行くわけでもなく、いまでも里親と暮らしている。里親も子どもも、施設に行くことを望んでいない。こうした人が全国に何人いるのやら、データは存在しない。元里親のこの夫婦は、いつまでもは看られないから、どうしたものかね、と嘆いている。

もう一人、気になる里親がいる。里親として女の子を養育してきた。児相職員から子どもに直接実親の元に帰れると話して(里親には話がなかった)、子どもはその気になった。しかし、帰ってみると一間しかない実母のもとには男の人が出入りしている。里親のもとに帰りたいと言っている。しかし、元の里親のもとに帰ることができるというのは聞いたことがない。

要保護児童というのではなくて、その里親家庭で暮らしている。とくに措置費も出ないなかで。児相の判断の甘さから生じてしまったケースだ。