里親への平均委託期間

映画『1640日の家族』で、1640日というのは何か月かと考えた。約4.5年。

それは、日本で5年ごとに行われる『児童養護施設入所児童等調査』の最新調査(平成30年)で確認すると、里親に委託される子どもの期間と同じだった。調査では4.5年。

里親への委託期間は、以前はもっと長期だと思っていた。あるいは、生みの親はいるものの養育は難しいものと思っていた。

いま、国内でも、委託解除をめぐるトラブルが増えている。児相職員の考えで、措置解除はどうにでもなる、と考えているからだろう。子どもや里親や、もちろん実親にも単なる親権があるからというだけでなく、きちんとヒアリングすべきだろう。

そして、いずれ措置解除になることを前提に子どもを預けるべきだ。

以前、アメリカ人のソーシャルワーカーに話を聞いたことがある。そのソーシャルワーカーは、子どもを委託するとき、できるだけ里親と実親に会ってもらうというのだ。子どもの好き嫌いや生活習慣を里親が知ることが目的だが、里親と実親の間にはそれぞれ誤解というか先入観があって、それを取り除くことに役立つという。

実親は、私を里親は養育力のない人間だと思っているだろう、里親は、私のことを実親に物好きな人間だと思っているだろうな、という具合に。

ソーシャルワーカーいわく、最初に会ってもらっていると措置解除もうまくいくし、その後の家庭支援も里親として力を発揮してくれる、という。

このようなソーシャルワーカーは少ないだろう。しかしそれなら、関係者に話を聞いて物事を進めるべきだろう。私は専門家、という意識は、少なくとも福祉的な仕事にはなじまない。