子どもの権利条約 政府報告の時期

国連子どもの権利条約の前回総括所見で、次回報告を2024年11月21日に求めている。まもなく、だ。

代替養育で、前回総括所見で指摘されていているのは、

(a)子どもを家族から分離するべきか否かの決定に関して義務的司法審査を導入し、子どもの分離に関する明確な基準を定め、かつ、親からの子どもの分離が、最後の手段としてのみ、それが子どもの保護のために必要でありかつ子どもの最善の利益に合致する場合に、子どもおよびその親の意見を聴取した後に行なわれることを確保すること。

(b)明確なスケジュールに沿った「新しい社会的養育ビジョン」の迅速かつ効果的な執行、6 歳未満の子どもを手始めとする子どもの速やかな脱施設化およびフォスタリング機関の設置を確保すること。

(c)児童相談所における子どもの一時保護の慣行を廃止すること。

(d)代替的養護の現場における子どもの虐待を防止し、これらの虐待について捜査を行ない、かつ虐待を行なった者を訴追すること、里親養育および施設的環境(児童相談所など)への子どもの措置が独立した外部者により定期的に再審査されることを確保すること、ならびに、子どもの不当な取扱いの通報、監視および是正のためのアクセスしやすく安全な回路を用意する等の手段により、これらの環境におけるケアの質を監視すること。

(e)財源を施設から家族的環境(里親家族など)に振り向け直すとともに、すべての里親が包括的な支援、十分な研修および監視を受けることを確保しながら、脱施設化を実行に移す自治体の能力を強化し、かつ同時に家庭を基盤とする養育体制を強化すること。

(f)子どもの措置に関する生物学的親の決定が子どもの最善の利益に反する場合には家庭裁判所に申立てを行なうよう児童相談所に明確な指示を与える目的で、里親委託ガイドラインを改正すること。

だ。

a)子どもを家族から分離する際、司法審査が求められている。考えてみれば当然のことではないだろうか。児童相談所の任意判断だけで行われる現状のやり方では納得できない親子分離が行われる可能性がある。そうした声が親の方から多く上がっている。

b)の「新しい社会的養育ビジョン」の計画的な進展も,どうも心もとない感じだ。

c)の一時保護の見直しも大きな課題だ。児童相談所に併設されている一時保護所。4割以上に併設されていると思われるから、これをなくすことがはたしてできるのだろうか。とはいえ、一時保護というあり方は戦後まもなくつくった制度という感じがする。

e)は、施設に財源をつけきたが、これからは家庭養護に振り向けろ、ということ。施設養育から家庭養育に変えようというわけだから、これも当然だろう。

簡単な変更ではないので、計画的な取り組みとなるだろう。さて、国はどう考えているのだろう。