Q-11 季節里親について教えてください

『Q&A里親養育を知るための基礎知識』の11問目は、「季節里親について教えてください」というもの。庄司順一先生が回答している。

季節里親は自治体によって呼び方、考え方が違います、と書いている。平成20年の児童福祉法改正に関する通知(里親制度の運営について)においては養育里親への短期委託のなかに位置づけ「積極的な運用を図られたい」、と紹介している。

季節里親の目的は、施設で生活していて、家庭生活を知らない子どもに家庭生活を経験させることである。

季節里親を子どもが経験することで、もう施設に帰りたくない、とか、その里親がべつの子どもを委託されたとか、課題の多い制度であるとも言っている。私の知っている事例でも、子どもが里親の財布からお金をとったなどがある。

残念ながら、肝心のこの制度の仕組みを紹介していない。季節里親や週末里親は、施設につけられている家庭生活体験事業である。新年度になるとこの事業の実施について施設が申請して行われる。子ども一人につき年間10万円が給付される。この制度を知らない施設もあって、自費で行うところもある。里親に支払われる費用は一般的に3日ほどで3000円程度。

施設につく事業なので、施設中心で事業が進められるべきだが、児童相談所の立ち位置が難しい。関与しているところもあれば関与していないところもある。里親制度に位置づけている、とするところもある。

近年、希望者がいないので実施していないとする施設もある。

季節里親をやりたい里親と、それを利用する施設や子どもとの調整、マッチングが難しい。しかし、同じ子どもと長期にわたってお付き合いをしている里親がいないわけではない。

また、家庭生活体験事業なので、その子が里親家庭に委託されるためのものではない。勘違いしている場合もあり、里親にとっても子どもにとっても、少し残酷な制度である。