平成20年、初めて里親支援が児童福祉法にうたわれた。その後、里親支援は多方面で行われることが望ましいとの観点から、乳児院や児童養護施設に里親支援専門相談員を配置し、児童家庭支援センターも里親支援を担うことになった。
昨年度あたりから、フォスタリング機関の設置に取り組む自治体が増えてきた。児相の里親業務をフォスタリング業務と呼び、民間に委託してもいいことになった。
いわば、単なる支援から、児相業務を担う段階まで、業務が拡張したわけだが、この辺の整理の必要なことについては、じゅうぶん理解していない人たちが多い。
まず、里親支援専門相談員は施設に配置され、その人はこの業務に専業とすること。施設から里親に措置変更することを一義的に行うこと、だったわけだが、必ずしもそうなっていなくて、機能しているとは言えない。
フォスタリング機関と従来の里親支援の関係はどうしたらいいのだろう。フォスタリング機関に従属する形で里親支援専門相談員をおく、ということだろうか。
フォスタリング機関は養育里親を対象とするから、それ以外の支援を里親支援専門相談員がやれ、という考え方もある。たとえば、親族里親や養子縁組里親、養親への支援など。
多くの里親支援者がいればいい、という時代から、誰が何を担うべきかを整理する時代にきているのではないだろうか。
さらに問題なのは、里親とそれらの関係である。支援者との関係で、里親が従属する立場に位置づけられる現象である。里親をサポートするはずの支援者が、力を持ちつつある。
端的なのはフォスタリング機関が、自ら開拓した里親のみ支援をする形。自治体との契約によるのだろうが、従来の里親には支援をしない。自分の持ち物としての里親のみ厚いサービスを行っていく。公的な費用を使いながら、限られた範囲でしか支援を行わない。
たとえば、乳児院から措置変更になった里親のみを乳児院の職員が支援をしていく。支援する里親を限定的にするわけだ。里親支援の業務を整理すべきだと前述したが、場合によっては、その乳児院の職員の支援を受けたくない里親がいるかも知れない。