非嫡出子への国家的差別

来年度の税制改正でひとり親への支援をめぐって会議が紛糾しているという。ひとり親でも婚姻歴があるかどうかで。

結婚しないで産んだ子のことを非嫡出子という。生まれた子どもは自分の責任でもないのに、いろいろな面で差別を受ける。生きづらい。自民党の国会議員が、家族制度の崩壊につながるから非嫡出子に不利な制度でもやむを得ないとしている。

そんなことで家族制度が崩壊するなら崩壊してしまえ、と言いたくなる。家族制度に目を向ける前に子どもだろうと思う。子どもが健やかに育つ社会であってほしいと思う。

妊娠した女性、貧困を強いられる子ども、管理的な教育、居場所のない思春期。これらは社会保障の犠牲者だと思うが、国会議員は自分たちが社会保障を与えてやっている、とでも思っているのだろうか。

 

非嫡出子の割合
2016年の欧州で誕生した新生児のうち非嫡出子の割合が高かった国は、アイスランド(69.6%)、フランス(59.7%)、ブルガリアおよびスロベニア(58.6%)、ノルウェー(56.2%)、エストニア(56.1%)、スウェーデン(54.9%)、デンマーク(54.0%)、ポルトガル(52.8%)であった。一方、割合の低い国としてトルコ(2.9%)、ギリシャ(9.4%)、マケドニア(12.0%)、ベラルーシ(13.3%)と低い国も存在する。なお、日本の非嫡出子の割合は 約2%台となっている。日本(2.3%)、韓国(1.9%)と東アジアは低い部類に入る(中野信子 『不倫』 文春新書 2018年 164項)。