親族里親という里親の種類がある。平成14年に専門里親とともに作られた。
三親等までを里親の対象にしているが、三親等までは民法で扶養の義務がある。扶養義務のある人を社会的養護で救済していいのか、という議論があった。そうしたこともあって、養育費は出るが里親手当は出ない。
表面化したのは東日本大震災。国会でも親族里親に里親を出せないのか、と質問があった。議論が沸騰したが、扶養義務の問題をなかなかクリアできない。扶養義務の法律ができた背景にまで遡る。元になった学説が面白い。親が子どもの扶養をするときには、肉があったら親よりも子どもを優先させる。祖父母の場合は肉は食べてもいい。そういう学説から法律が作られている。
ところで叔父叔母はどちらかは血のつながりはない。この場合は里親手当を出してもいいのではないか、ということで養育里親扱いの親族里親となった。