ヨシタケシンスケの絵本がいい

里親家庭で暮らす子どもたち。ともすると、自己肯定感が低いとか自尊感情に欠けるとか言われる。これ、状態のわるい場合にも、自己肯定感があるとか自尊感情があると思いがちなので、勘違いしやすい。「こんな俺でなにがわるい」というような勘違いした自尊感情もある。正確な意味での自尊感情ではないが。

最近、ヨシタケシンスケの絵本が人気だという。表現で一貫しているのは、少数派であることを楽しむ能力だろう。『もうぬげない』を読んだことがあるが、男の子が服を脱ごうとして首に引っかかって抜けない。意外によくあることだ。抜けないままいろいろ悩んだりする。そういう悩みに明るく向き合うことがこの絵本のいいところだ。困ってはいるけどそれを楽しんでもいる。

里親家庭に暮らす子どもは、こういう、マイノリティでもそれを楽しんでしまえる能力をこそ培うべきではないだろうか。