Q-05 現在の里親制度について教えてください

 『Q&A里親養育を知るための基礎知識』(第2版)は2009年に発行されて質問の数は89。質問のすべてを紹介して修正を加えていくというのも、個人的な作業としてはやや気が遠くなる。

少し飛ばしてQ-05。「里親制度について教えて」というもの。庄司順一先生が答えている。平成20年度の児童福祉法改正までをカバーしている。この改正では養育里親と養子縁組里親に分けられ、養育里親が養育できる子どもの数は4人以下と定められた。また養育里親になるためには研修が義務付けられた。専門里親になる要件はこれまでと変更ないものの(養育里親として3年以上の養育経験があるものなど)対象となる児童には①児童虐待等の行為により心身に有害な影響を受けた児童、②非行のある又は非行に結び付くおそれのある行動をする児童、③身体障害、知的障害又は精神障害がある児童、とされた。それまであった短期里親は養育里親に含まれることになった、職業指導里親は実績がなかったことから廃止になった、としている。

その後の動きを加えると、養子縁組を希望する里親にも研修が義務付けられることになったこと、それに伴って更新5年が加わったこと、がある。

またつい最近のことだが、養育里親への里親手当が2人目以降も1人目と同じとなったことがある。

18歳までの養育期間についても就職のできない子どもや進学した子どもについては20歳の誕生日前日までと延長されている。文部科学省の管轄になるが、18歳以上の子どもに関する給付型奨学金についても要保護児童については条件が緩和されている。

平成20年度の児童福祉法改正の後、「里親の養育指針」「養育ガイドライン」「社会的養護の課題と将来像」などがまとめられている。

 平成28年度の児童福祉法改正では「社会的養護の課題と将来像」は「社会的養育ビジョン」によって施設や里親の養育比率の目標が変わっている。