養子縁組の考え方

平成20年の児童福祉法改正で、里親を養育里親と養子縁組里親とに分けた。

里親としての目的が違う、というのが趣旨だった。

ところが、子どもの立場になってみると、必ずしも養育里親家庭と養子縁組家庭に大きな差はない。というか、実親による養育が期待できない子どもは福祉として養子縁組を積極的にしていくべきだ。

養育する側面からばかり見ているから、養育と養子を切り分けるが、子どもの立場であれば、安定した養育として養子が推奨されるべきだ。アメリカのソーシャルワーカーに聞いても、里親家庭の子どもより養子の方が自己肯定感をもっているという。そういうパーマネンシーの観点から養子縁組家庭についても措置費と同額のお金を養子縁組家庭にも提供しているという。養子縁組家庭への支援も充実しているという。

日本では、養子縁組は大人の都合でするものだから費用の負担などはしなくてもいいとされている。パーマネンシーの保障としての養子縁組として、支援していく必要があるだろう。

残念ながら、養子縁組里親は里親会などの活動に十分関わっていない。養子縁組里親の声を反映させるような仕組みが必要である。