里親保険の新機能

全国里親会の里親保険は、①施設所有管理者賠償責任保険(委託児童の行為が原因で里親に発生した賠償責任)、②生産物賠償責任保険(里親が作った飲食物が原因で委託児童などに病気や怪我をさせてしまった時に里親が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害の補償)からできている。補償額によって3タイプがある。

これは地域の里親会が全国里親会に加入することによって保険加入も可能となる、というもの。補償金の額によって里親の保険料も違ってくる。多くの地域では里親がではなく自治体がこの保険料を支払ってくれている。だから、補償金額についても一里親が決めることができない。里親として心配であれば里親会に金額を確認する必要がある。

この基本補償のほかに、委託児童賠償責任補償がある。通常のもの(上記のもの)は12歳を超えると判断能力があるとされて対象とならないが、あわせてこれに入っておけば、12歳以上でも対象となる。だから、12歳以上の子どもを預かる場合はこれにも加入する。

さて、新たな「オプション補償」の里親保険ができた。これは里親が子どもから怪我をさせられたり、家などを壊されたりした場合の補償。これも基本補償と同じく補償額によって3タイプがある。これも個人でタイプを決められるのではなく、会として決める必要がある。この保険にも加入しているかどうかは里親会に確認すべきだ。自治体が保険料を負担している場合は里親会の一存で決めることができない。

「オプション機能」の保険は、里親の声によって作られたものだ。

もしも事故が起きた場合、このくらいの保障がないと安心して子育てができない、という思いがあるのなら、里親会、自治体に働きかける必要がある。

自治体の考えにもよるが、多くの自治体は最低限かけておけばいい、という思いのようだ。里親家庭で過去に子どもの死亡事故や大きなケガをさせてしまった事例のある自治体は補償額が1億円までの保険に加入している。もちろん、1億円もの事故が頻繁に起こるわけではないが、そのくらいの額の、子どもを亡くして実親から訴えられたケースがないわけではない。

なお、里親が多い地域の里親会などでは独自に里親保険を運営しているところもある。この際、里親が養育しているのにどのくらいの補償がかけられているのか、全国里親会の保険だけでなく、いろいろ研究してみることが必要だろう。また補償の内容を確認しておくのも大事かと思う。