里親活躍率って?

近年、里親委託率が話題になっている。乳児院児童養護施設、里親、ファミリーホームのなかで、どれだけ里親に子どもが委託されているかの指数として使われている。ちなみに里親委託率は18%台で、社会的養護が整備されている先進国の中では大幅に低い。

里親委託率はある里親が言いだして今では厚生労働省も指標として使っている。平成28年の改正児童福祉法で打ち出した家庭養育推進のための指標として欠かせないが、最近「里親活躍率」を指標にしようという動きがある。

最近は子どもの措置として里親に子どもが委託されるだけでなく、一時保護(まだ措置に至らない段階)の子どもを預かったり、施設に長期入所している子どもを短期間預かったりしている。里親委託率にはこの辺がカウントされていない。

そういう意味では指標になるかも知れないが、一方でなんだか怪しげな感じもする。里親委託率を家庭養育推進の指標としているのに、その目標が高すぎるから、目をそらさせる意味で里親活躍率といったあいまいな指標導入を考えているのではないか、と。

国は地方自治体に、3歳までの乳児は5年以内に里親委託率を75%に、学童前の幼児期の子どもは7年以内に75%に、子ども全体の里親委託率を10年以内に50%に、という目標の計画化を求めている。地方自治体はどのような絵を描いたらいいか苦慮している。

そういうなかで自治体からでてきた新しい指標だけに、単に里親委託率から目をそらさせる意図があるのではないか、と危惧してしまう。