エッセンシャルワーカー

コロナ禍のなか尊敬できる仕事が話題になっている。エッセンシャルワーカーと呼ばれている。子どもや高齢者の福祉に携わる人のことをいうが、こうしたエッセンシャルワーカーと言われる人に共通するのは低賃金で長時間労働。コロナで賃金カットされた、雇用主が感染対策をしてくれない、などの問題が表面化している。

今日の朝日新聞がこの問題を取り上げているが、コメントしている本田由紀東京大学教授)さんは、雇う側が「やりがい」を言うのは「やりがい搾取ではないのか」と言っている。仕事の奉仕性がやりがいを強調して、低賃金も当たり前と思わせる。

どこか、里親にも言えそうなことである。行政が過剰に里親開拓で強調するのも問題があるだろう。

以前読んだ『当事者主権』(岩波新書)という本で上野千鶴子さんが書いていたことを思い出す。

介護度5といえば一番大変な介護を迎えた人たちを指すが、生まれたばかりの赤ちゃんは介護度5に相当するのではないか、と。養護度とでも言えばいいのか、介護と違って、度数は5から1にどんどん少なくなっていく。しかし、赤ちゃんの場合、世間には介護度5の認識はない。