里親との痕跡をなくす

里親宅で暮らした子どもが実親のもとに帰ることになった。一緒に暮らした写真がいっぱいある。それを子どもに託そうとしたら、児相職員から、どれを渡すかは児相が決めると言われたという。

私の体験でも、乳児院にいた子どもを委託される時に写真をもらったが、職員の顔は映っていない。抱っこしている腕だけが写っていた。なんだか不思議な写真だった。

共に暮らした痕跡を消すのだという。写真で消しても、記憶は消せない。それならすべて写真も渡して、子どもが望むなら、里親と会えるようにしたっていいではないだろうか。子どもの成長が一貫して分かるようにするほうが子どもにとっていいと思うのだが。