当事者の声

改正児童福祉法の1条に「子どもの権利条約」がうたわれ、2条には子どもの意見表明がうたわれている。十分子どもの声に耳を傾けてこなかった日本の社会的養護の世界では、どうやったらそうした仕組みが作れるのか、議論が始まったばかりだ。
意見表明だけを言うのでなく、聴かれる権利が話題になっている。アドボカシーだ。私たちの支援センターでも遅まきながら勉強会をやっている。当事者の声にはやはり迫力がある。「児童相談所の職員は公務員ではなく民間がやってほしい」という。どうしてと聞いたら、「チェック表に記入するだけなんだもの。自分の意見を聴いてくれているように感じられない。仕事でやっている、という感じ」という。
「虐待死の報道があって児童相談所の所長が謝ったりしているが、児童相談所だけがわるいと思っている人が許せない、もちろん虐待した人は許せないが、その人だけがわるいのではなく、かかわる人全員がわるいのだ。だから誰かを悪者にするような言い方はやめてほしい」という。安易に、「ひどい親がいる、信じられない」というマスコミ報道への反応は慎みたいものだ。いつの間にか、だれかを悪者にして、自分は関係がない、というようなスタンスをとりがちだ。襟を正したくなった。