『裸足に逃げる』は上間陽子さんが書いた本(太田出版)。読むことになったのは読書会のテキストになったから。
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それにしても、夜の少女たちの現実はすさまじい。DVや妊娠、働きながらの子育て。そういうなかを生き抜いていく彼女たちに身を寄せて、温かいまなざしで聞き取る。沖縄だからなのでしょうか。日本の若者全体にも通底するテーマでもあるかな、と思います。若者たちが荒れている。そして被害者としてしか生きられない少女たち。
妊娠した少女が、DVによって早産する。子どもは脳性麻痺。その子どもを養育しながら高校をやり直し、看護師の道へと進む。
その少女は、週末子どもを連れてお出かけをする。「当たり前のことを当たり前にしたい」という。当たり前が大事だから、と。
私は家庭養育について話すとき、その大事さをうまく伝えられないもどかしさを感じている。施設はこんなところで、だから家庭で暮らすのが大事だ、としか言えない。そうではなくて、家庭生活そのものを語りながら家庭生活の大事さを伝えなければならないのに。そんなことを強く感じながら読んでいます。