未委託里親が増えている

里親に関係するいろいろな役員やアドバイザーなどをご辞退したが、全国里親会の「里親だより」だけは、広報アドバイザーという肩書で続けている。といってもあと1号か2号だろうが。

5月20日号ができた。私は福祉行政報告例から、養育里親の都道府県ごとの動きを紹介させてもらった。

そこで気になったのが、未委託里親の増加である。養育里親自体は増えているのだが、委託が順調に進んでいない、ということになる。全国的にみても養育里親のうちの68.2%が未委託(令和2年度)。前年は60.0%だから、1年で未委託が8.2%も増えたことになる。未委託率の高い都道府県は福井県(86%)、金沢市(86%)、石川県(84%)、和歌山県(84%)、明石市(84%)、岐阜県(83%)、愛媛県(82%)、島根県(82%)、滋賀県(81%)、富山県(80%)。

以上が8割台の未委託率である。

里親をやりたいとして夫婦で研修も受け施設などで実習をして里親になったのに、8割以上の里親が未委託という状態。もちろん子どものための制度であるが、あまりにも未委託の里親が多いのではないだろうか。里親をやめていった人の調査などはしていないが、ぜひやってもらいたいものだ。どうしてやめていったのか、何が不満だったのか。なかには、5年ごとの再登録で研修が義務付けられているが、5年も待って子どもが来ないなら里親をやめることにしたい、という声もある。

ここでも紹介したアメリカの最近の里親関係の小説、『海を見た日』や『わたしが鳥になる日』では、足りない里親のところを転々としながら、それでもかけがえのない里親と出会う内容になっている。

未委託里親を減らすような取り組みをぜひしてもらいたいものだ。