研修会を何とかしてくれという声

里親になるには基礎研修や登録前研修、施設実習などが義務付けられている。私が里親になったのは30年近くも前だから研修などはなかった。だから里親になるためのハードルなど考えたこともなかった。

里親制度のことをよく知る人が最近思い立って里親になった。そこで受けた研修があまりにもレベルが低く呆れた、というのである。施設実習をする必要があるのか、とも。

思わずニンマリとしてしまった。しっかりと研修に力を入れている地域もある。しかし里親支援機関に丸投げしてしまって、その内容に無頓着な地域もある。

里親が仕事の都合などで他の地域に引っ越す場合がある。その場合、もう一度研修を受け直す地域が多い。たぶん、前の地域の研修を信じていないのだろう。

全国一律の研修を行うことはできないのだろうか。たとえば、専門里親の研修を担当している子ども総研に一括お願いするとか。

研修の品質の統一と保障。里親になる人に、研修を受けてよかったと言ってもらえる内容のものを提供してほしいものだ。

おもわずニンマリと言ったのは、多くの里親希望者が里親になるための通過点として研修を我慢するだけのものだからだ。

里親希望者にはさまざまな人がいる。誰もが納得する研修を行うためには程度の低い研修をするしかない、という声も聞こえてきそうだ。しかし、程度が低ければいいのか、とも思えてくる。貴重な場を最大限生かす工夫がほしい。施設実習も再考すべきだ。