体罰雑感

千葉県野田市の心愛さんが亡くなる3か月前に「自分への手紙」を書いていたことが分かった。「未来のあなたを見たいです。あきらめないで下さい。」

痛ましい。この気持ちに周囲が答えてあげられなかったばかりか、せっかくあげたその声を踏みにじることまでした。

同じ日の新聞(今日)に、体罰についてのガイドラインが出たとある。このガイドラインの制作過程ではずいぶん揺れた。大声でしかるなど心理的なことも体罰に含めるべきか。体罰を禁じる法律では身体的な体罰に限っている。しかし人権的配慮から言ったら、身体的体罰だけでは不備な気もする。そのことがどうなったのかについては、新聞では触れられていない。

体罰問題は里親家庭も例外ではない。ネット上では、体罰容認の意見も多く出ている。認めるか認めないか、ではなくて「体罰によらない子育て」の仕方を普及すべきだろう。

もう一つ、体罰を受ける側の子どもたちの多くが「誰にも相談していなかった」こと。

子どもたちに、ニヒリズムが蔓延しているようにも思う。どうせ言っても無駄だと。実は里親家庭に「子どもの権利ノート」が配られている。そこに、困ったら電話か手紙をくださいと書いてある。その電話番号は都道府県の担当課だ。多くの担当課は大人社会の都合のいいようにしか対応しない。いわば、子どもの声にきちんと答えられる窓口とはいえないわけだ。