里親の勲章

私が関わるようになる前の里親会は、里親と言えば篤志家の活動だったように思う。支部長になって初めて会合に出た時、前の支部長も来ていた。なんとか工業の会長ということで、子どもたちにお小遣いと称して千円ずつをあげていた。ああ、こういうことは私はできないな、と感じた。

この季節、叙勲の話が出る。今回、地域の里親会の会長と元会長が叙勲された。それを広報してほしいとの話があった。私は反対。昔、年寄りの長く会長をやっている人が「あと少しやれば勲章がもらえるはずだから」というのである。そういうの、老害以外の何物でもない。

里親と勲章。もらえるのであれば子どもからもらえればと思う。勲章でたたえられるとしたら、すべての里親であるべきだろうし、里親が勲章をもらって喜んでいる姿を子どもが見て、「なんだ勲章がもらいたかったから里親をやっていたのか」と思われるのも嫌だ。生きづらい環境で生き延びた子どもにこそ勲章をあげるべきだろう。

叙勲、なにでもらったのか分かりづらい、ということもある。公務員として勤務していたことによるのか、施設経営をしたことによるのか。

それから、他の協会の会報で、表紙の裏一面が叙勲のリストだったというものも見たことがある。

とはいえ、「叙勲した人をたたえるべきだ」という意見も根強い。私のように考えている人は少数のようで、多数決ではもう負けると思われる。