オヤカクと里親

就活で内定を得た学生に、企業が内定の確認のために親に確認を取るオヤカクが広がっているようだ。採用のシーンで方法が急遽変わることがある。10数年前には、それまで履歴書だけだったところにエントリーシートが加わった。志望動機などを詳しく書いてもらうわけだ。

今回のオヤカク、親が子どもの就職観などが分かって親にとってもいいのかも知れない。だけど施設にいた子どもや里親家庭で育った子どもたちにはちょっと荷が重いのではないだろうか。

非常に個人的なことだが、私が育った家庭は経済力がなく、お前を大学にはやれない、と中学生の頃から言われてきた。とくにこれがやりたいということもないが、今でいうモラトリアムな時がほしくて自分でバイトしながら大学に入った。就職も正面からは難しくバイトから正社員になった。この体験から『就職を成功させるアルバイト活用法』という本を書いた。

オヤカクなどの言葉を聞くと、いつまでも親の保証が必要な時代でいいのだろうか、と考える。子どもたちの方から、オヤカクなんてやめろと声があがるといいのだが。