在留特別許可

里親家庭で暮らしている子どもたちのなかには、無国籍だったり外国籍だったりする子どもも多い。日本で生まれた子どもなど、外国籍だからと言って、はるばるその国に追放して、子どもの人生を見ないふりをすることがよいことなのだろうか、と思うようなことも多い。無国籍の子どもに、母親の国籍が取れてよかったと思っていたら、国外追放で、母親の国の施設に入れると聞いて愕然としたことがある。日本で生まれて、日本語しか話せない子どもだ。預かっている間もおかしなことが多かった。日本国籍ではない子どもは本来なら一般家庭で暮らすことはできない、遠方に外出するときには入管に知らせるように、と言われた。県境に暮らす私たちにとって、橋を渡れば入管の言う遠方になってしまう。

そういう不思議な経験を多くしてくると、今回議論されている、日本生まれだが在留資格のない外国籍の子どもに在留特別許可を与えようとの政府方針はいいと思う。まだ案の段階ではあるが、はやくそうなってほしいと願わずにはいられない。